
Palmier Pro - AIエージェントが操作できるオープンソース動画エディタ(macOS)
「生成は生成ツール、編集は編集ソフト」とアプリを行き来する手間——AI動画づくりの地味なストレスです。Palmier Pro は、「AIのために作られた動画エディタ(The video editor built for AI)」を掲げ、生成と編集をひとつのタイムラインに統合します。さらに面白いのが、MCP 経由で Claude Code・Cursor・Codex などのエージェントがエディタを操作できる点。この記事では、公式情報をもとに何ができるのかを整理します。
Palmier Pro とは
- macOS ネイティブ(Swift)の動画エディタ。開発は Y Combinator S24 の Palmier
- 生成と編集をタイムラインに統合: 生成モデルで画像・動画を作り、自前の素材と同じタイムラインで混ぜて書き出す
- エージェントが操作できる: アプリ内エージェント、または MCP で外部のAIエージェントがプロジェクトを読み、タイムラインを編集する
- オープンソース(GPLv3): エディタ本体・MCPサーバー・エージェントチャットは OSS。生成AIの処理部分のみクローズド
公式は CapCut / Premiere Pro / Runway / Artlist などに対して、「生成と編集が別アプリに分かれている」課題を、統合で解くと位置づけています。
タイムライン内でAI生成
通常のマルチトラック編集(動画・音声・画像・テキスト、トリム/分割/速度/不透明度/トランスフォーム)に加え、生成モデルをエディタ内から直接呼べるのが特徴です。
- 対応モデルとして Seedance・Kling・Nano Banana Pro などの最新世代が挙げられています(ラインアップは更新されていくため、最新は公式で確認を)
- 生成したクリップと取り込んだ素材を同じタイムラインでミックスして仕上げられる
どの生成モデルを使うかの整理は、当ブログのAI画像生成APIの比較も参考にしてください。
いちばんの推し: エージェントが編集を代行(MCP)
ここが開発者的にいちばん面白いところです。Palmier Pro はアプリ起動中に MCPサーバーを http://127.0.0.1:19789/mcp で公開します。これに Claude Code / Cursor / Codex / Claude Desktop を接続すると、エージェントが同じプロジェクトを読み、タイムラインを編集できます。
接続方法は各ツールでこうです。
claude mcp add --transport http palmier-pro http://127.0.0.1:19789/mcpcodex mcp add palmier-pro --url http://127.0.0.1:19789/mcp{
"mcpServers": {
"palmier-pro": {
"type": "http",
"url": "http://127.0.0.1:19789/mcp"
}
}
}Claude Desktop は、アプリの Help メニューからワンクリックでインストールできます。
NOTE
エンドポイントは ローカル(127.0.0.1)なので、アプリが起動している自分のマシン内で完結します。MCP の全体像はMCP 2026 ロードマップ、別アプリでの接続例はGoogle カレンダー MCP の設定も参照。
「カットを詰める」「不要部分を削る」「テロップを並べる」といった編集の地道な作業をエージェントに任せ、人は方向性の判断に集中する——という使い方が想定されています。公式は YC企業向けに15本以上のローンチ動画を制作した実績を挙げています。
書き出しと既存ワークフロー
- MP4(H.264 / H.265 / ProRes)で書き出し
- NLE XMLで Premiere Pro / DaVinci Resolve に渡せる
つまり Palmier Pro でAI生成+粗編集を済ませ、仕上げは既存のNLE、という分担もできます。
料金
- エディタ本体と MCP サーバーは無料(ログイン不要で使える)
- 生成AI機能はログイン+サブスク(クレジット制)。公式のローンチ価格は Pro が月 $29(通常 $49)、Max が月 $69(通常 $99)
「まず無料でエディタを触り、生成を使うときだけ課金」という入り方ができます。
注意点
- 対応環境は macOS 26(Tahoe)/ Apple Silicon のみ。Intel Mac や Windows、古い macOS では動きません
- OSS は GPLv3。生成AIの処理はクローズドなので、「完全に自前でオフライン生成」ではない点に注意
- 対応生成モデルは流動的。記事中のモデル名は執筆時点のもので、追加・変更されえます。最新は公式で確認してください
まとめ
- Palmier Pro は macOSネイティブの「AI向け動画エディタ」(YC S24)。生成と編集をタイムラインに統合
- Seedance・Kling・Nano Banana Pro などをエディタ内から直接利用
- 最大の特徴は MCP でエージェント(Claude Code / Cursor / Codex)が編集を操作できること(
http://127.0.0.1:19789/mcp) - GPLv3 のOSS(生成処理を除く)。書き出しは MP4 / ProRes / NLE XML
- エディタは無料、生成は Pro 月$29〜(ローンチ価格)。macOS 26 Tahoe / Apple Silicon 専用
「AIで動画を作る」体験の摩擦は、ツール間の往復に多くあります。Palmier Pro はそこをエディタ × エージェントで詰めにきた一手で、MCP でエージェントに編集を任せる発想は、コード以外の制作にも“エージェント操作”が広がる流れを感じさせます。


