
Node.jsが年1回のメジャーリリースへ - Node 27からの新スケジュールとLTSの考え方
「Node.js は偶数版を選べばいい」——この常識が変わります。Node.js は2026年3月の公式発表でリリーススケジュールを変更し、Node 27 から年1回のメジャーリリースへ移行します。奇数/偶数の区別はなくなり、すべてのリリースが LTS 対象になります。この記事では、何がどう変わるのかを Node.js 公式ブログを一次ソースに整理します。
何が変わるのか(要点)
公式アナウンス「Evolving the Node.js Release Schedule」(2026年3月10日)の要点は次のとおりです。
- メジャーリリースは年1回(毎年4月)に集約(これまでは4月・10月の年2回)
- 奇数/偶数の区別を廃止し、すべてのメジャーが LTS 対象に
- 早期テスト用に Alpha チャンネルを新設(毎年10月〜3月)
- 総サポート期間は36か月へ(従来は約30か月)。LTS 期間は30か月を維持
- 適用は Node 27 から
なぜ変えるのか
公式が挙げる主な理由はこうです。
- 奇数番号リリースの採用率が極端に低い。多くの組織は LTS(偶数)しか使っておらず、奇数版は実質テスト用途に留まっていた
- 奇数/偶数の区別が新規ユーザーを混乱させる
- 現行スケジュールは io.js 統合時(2015年頃)に作られたもので、現在の使われ方に合っていない
- メンテナの多くはボランティアで、4〜5本の並行リリースライン(特にセキュリティ修正のバックポート)の維持が持続困難
要するに「実態に合わせて、年1回・全部 LTS・テストは Alpha で」というシンプル化です。
新旧スケジュールの比較
| 項目 | 旧(〜Node 26) | 新(Node 27〜) |
|---|---|---|
| メジャー頻度 | 年2回(4月・10月) | 年1回(4月) |
| LTS 対象 | 偶数番号のみ | 全バージョン |
| 早期テスト手段 | 奇数番号リリース(LTSなし) | Alpha チャンネル(10月〜3月) |
| Current 期間 | 6か月 | 6か月(変わらず) |
| LTS 期間 | 約30か月(Current込み) | LTS 30か月+総36か月 |
| バージョン番号の意味 | 偶数=LTS候補・奇数=実験的 | 暦年に対応(27=2027年) |
新設される Alpha チャンネル
従来「奇数リリース」が担っていた早期テストの役割は、Alpha チャンネルが引き継ぎます。
- 期間は毎年10月〜3月の6か月
- 破壊的変更(semver-major)を含められる
- バージョンは
27.0.0-alpha.1のような形式で、署名・タグ付きで提供
ライブラリ作者は、Alpha を早めに CI へ組み込むのが推奨です。LTS だけをテストしていると、破壊的変更への対応が後手に回ります。
バージョン番号が「暦年」に対応
新スケジュールでは、メジャー番号がそのリリース年(暦年)に対応します。27 は2027年、28 は2028年リリース、という読み方です。番号から時期が直感的に分かるようになります。
Node 26 と Node 27 の位置づけ
移行期なので、ここは取り違えやすいポイントです。
- Node 26: 旧モデル最後のリリース。2026年5月5日に Current、2026年10月に LTS 昇格、EOL は2029年4月30日。新機能はNode.js 26 と Temporalを参照
- Node 27: 新モデル最初のメジャー。2026年10月に Alpha 開始、正式リリースは2027年4月、2027年10月に LTS 昇格、EOL は2030年4月
WARNING
「Node 27 が2026年10月にリリースされる」は誤りです。2026年10月は Alpha の開始で、27.0.0 の正式リリースは 2027年4月です。また「年1回になったから LTS のサポートが短くなる」も誤りで、LTS 30か月は維持・総期間はむしろ36か月に延長されます。
運用への影響
実務でどう効くかをまとめます。
- LTS だけを追っている場合: 体感の変化はほぼなし(もともと実質年1回のアップグレードだった)。バージョン番号の読み方が変わるだけ
- バージョン選定: 「偶数を選ぶ」という基準が不要に。全部 LTS 対象なので、最新メジャーをそのまま採用しやすい
- CI / Docker: Alpha ビルドを CI に入れるか判断が必要。なお Docker 公式イメージで Alpha を提供するかは執筆時点で議論中(未確定)
- ライブラリ作者: Alpha を早期にテストへ統合し、破壊的変更を前倒しで検知する
まとめ
- Node.js は Node 27 から年1回(毎年4月)のメジャーリリースへ。公式発表は2026年3月10日
- 奇数/偶数を廃止し全リリースが LTS。早期テストは新設の Alpha チャンネル(10月〜3月)が担う
- 総サポートは36か月(LTS 30か月は維持)。バージョン番号は暦年に対応
- Node 26 が旧モデル最後、Node 27 が新モデル最初(正式リリースは2027年4月)
- LTS 運用者への実害はほぼなく、むしろ選定がシンプルになる
「偶数を選ぶ」という長年の常識は役目を終えます。これからは「最新の LTS(=最新メジャー)を、年1回のリズムで追う」だけ。Node.js の足回りが、使われ方に素直に寄せられた変更です。


