OpenAI Codex CLI 実践入門 - ターミナル自律エージェントを Claude Code と並べて使う

OpenAI Codex CLI 実践入門 - ターミナル自律エージェントを Claude Code と並べて使う

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このブログでは Claude Code を中心に AIコーディングを扱ってきましたが、「ターミナルで動く自律型エージェント」は Claude Code だけではありません。OpenAI の Codex CLI は、その最有力の対抗馬です。

面白いのは、両者が驚くほど似た形をしていること。AGENTS.md・MCP・承認モードといった土台が共通で、違うのは「どのモデルで・どう認証して動かすか」が中心です。この記事では、Claude Code を使ってきた目線で Codex CLI を整理し、共通点と違いを実務目線でまとめます。

Codex CLI とは

Codex CLI は、OpenAI が出しているターミナル型のコーディングエージェントです。手元のディレクトリでコードを読み・変更し・実行できます。特徴はこうです。

項目内容
実装Rust 製。軽量で高速
ライセンスオープンソース(Apache-2.0)
動作ローカルのターミナルで対話的に動く(TUI)
モデルOpenAI のコーディング向けモデル(執筆時は GPT-5 系、2026年10月時点は GPT-6 系)。/model で切替
認証ChatGPT アカウントでサインイン、または API キー
拡張AGENTS.md と MCP に対応

NOTE

モデルは /model コマンドで切り替えられます。Codex は OpenAI のコーディング向けモデル(GPT-5 系)で動きますが、既定モデル名は更新が速いため、正確な名称は公式ドキュメントで確認してください(バージョンによって既定が変わります)。Claude Code が Anthropic のモデルで動くのと同じく、Codex は OpenAI のモデルで動く、という素直な対応関係です。

NOTE

追記(2026-10-07): 2026年10月時点の公式 CLI ドキュメントの画面例では、モデルは gpt-6.1-sol になっています。また公式の料金ページでは、GPT-5.5 が 2026年10月14日に ChatGPT・Codex の全プランから退役する(API は対象外)と案内されています(Codex CLI、Pricing)。

インストールと認証

インストール

npm か Homebrew で入れられます。

Codex CLI のインストール
# npm
npm install -g @openai/codex
 
# Homebrew(cask)
brew install --cask codex

スタンドアロンのインストーラ(curl -fsSL https://chatgpt.com/codex/install.sh | sh)も用意されています。

認証

初回起動時にサインインを求められます。ChatGPT アカウントでサインインすれば、ChatGPT Plus・Pro・Business・Edu・Enterprise の各プランの一部として使えます。あるいは API キーでも認証できます。

NOTE

追記(2026-10-07): 2026年10月時点の公式料金ページでは、Codex は Free・Go・Plus・Pro・Business・Edu・Enterprise の各プランに含まれると案内されています(Free と Go は軽いタスク向けの位置づけで、利用できるモデルや上限はプランごとに異なります)。詳細は Pricing を確認してください。

ここが Claude Code との実務的な違いの一つです。Claude Code が Anthropic のプラン/API に紐づくのと同様に、Codex は ChatGPT のプランに紐づく。すでに ChatGPT を契約しているチームなら、追加コストなく試せるのが利点です。

起動

起動
codex

これで対話的な TUI セッションが立ち上がります。

承認モードとサンドボックス(ここが肝)

Claude Code の「auto mode / 権限」に相当するのが、Codex の承認モードとサンドボックスです。AIにどこまで自由を与えるかを、2つの軸で制御します。

サンドボックス(--sandbox)

ファイルやシステムへのアクセス範囲を決めます。

値意味
read-only書き込み不可(読むだけ)
workspace-writeワークスペース内のみ書き込み可
danger-full-access制限なしの全アクセス(危険)

承認ポリシー(--ask-for-approval)

コマンド実行前に人間に確認を求めるかを決めます。

値意味
untrusted信頼できない操作の前で止まる(2026年8月に廃止。下記の追記参照)
on-request対話セッション向けの推奨値
never確認しない(自動化向け)

執筆時点では、このほか on-failure(コマンド失敗時のみ確認)もありました(非推奨扱いで、2026年6月に削除)。

NOTE

追記(2026-10-07): その後 --ask-for-approval に指定できる値は on-request と never の2つに整理されました。on-failure は 2026年6月に削除され(#28418)、untrusted も 2026年8月に廃止されています(#39630)。公式ドキュメントでは、設定ファイルに approval_policy = "untrusted" が残っていると起動できなくなる場合があるため削除するよう案内しており、従来のような厳しめの確認が必要なら ~/.codex/config.toml のプロジェクト設定で trust_level = "untrusted" を指定する方法が示されています(Agent approvals & security)。

WARNING

--full-auto は『--sandbox workspace-write + --ask-for-approval on-request』をまとめたプリセットです(挙動を細かく決めたいときは両フラグを個別に指定します。追記(2026-10-07): 現在の公式ドキュメントでは codex exec --full-auto は互換のために残された非推奨の指定で、実行時に警告が出ます。非対話実行では codex exec --sandbox workspace-write を使うよう案内されています)。一方で danger-full-access や --ask-for-approval never は、文字どおり「全部任せる」モードです。手元の信頼できるリポジトリ以外では使わないこと。Claude Code の --dangerously-skip-permissions と同じ警戒度で扱うべきフラグです。安全に自走させたいなら「ワークスペース内書き込み+必要時に承認」が基本線です。

考え方は Claude Code を長時間自律で走らせるで書いた「承認の自動化は2軸(どこまで触れるか × いつ確認するか)で設計する」とまったく同じです。ツールは違っても、安全に自走させる設計思想は共通しています。

非対話実行: codex exec

CI やスクリプトから回すには、非対話モードの codex exec(短縮形 codex e)を使います。人間の対話なしでタスクを実行できます。

非対話でタスクを実行
codex exec "テストを実行して失敗を修正して" --sandbox workspace-write

Claude Code の claude -p(print/非対話モード)に相当する位置づけです。自動化に組み込むときは、サンドボックスと承認ポリシーを明示して「どこまで許すか」を固定するのが定石です。

AGENTS.md と MCP は共通の土台

Codex CLI は AGENTS.md と MCP(Model Context Protocol)に対応しています。ここが、Claude Code ユーザーにとって一番うれしい点かもしれません。

  • AGENTS.md: プロジェクトのルール・手順を書いておくファイル。Claude Code でも Codex でも読まれる、事実上の共通フォーマットになりつつある
  • MCP: 外部ツール連携の標準プロトコル。MCP 2026 ロードマップで書いたとおり、エージェントをまたいだ共通基盤になっている

つまり、AGENTS.md でプロジェクトの作法を整え、MCP でツールをつないでおけば、その資産は Claude Code と Codex の両方で活きる。どちらかにロックインされにくいのは、利用者にとって健全な状況です。

Claude Code と Codex CLI、どう使い分けるか

観点Claude CodeCodex CLI
モデルAnthropic(Claude)OpenAI(GPT 系。2026年10月時点は GPT-6 系)
認証/課金Anthropic プラン・APIChatGPT プラン・API
実装-Rust 製・OSS(Apache-2.0)
設定AGENTS.mdAGENTS.md(共通)
ツール連携MCPMCP(共通)
権限設計auto mode・権限サンドボックス × 承認ポリシー

実務的には「どちらが優れているか」より「どちらのモデル/プランを既に持っているか」「タスクとの相性」で選ぶのが現実的です。ChatGPT を主に使っているなら Codex が自然な入り口になりますし、両方を併用して同じタスクを別モデルで解かせ、結果を見比べるという使い方も有効です(このブログでも、記事の事実確認に別モデルの相互チェックを使っています)。

NOTE

「片方が常に正しい」わけではありません。モデルが違えば得意・不得意も、間違え方も違います。重要な変更ほど、片方に書かせてもう片方(や人間)でレビューする多段検証が効きます。AGENTS.md と MCP が共通だからこそ、この“乗り換え・併用”のコストが低いのが2026年の良いところです。

まとめ

  • Codex CLI は OpenAI のターミナル型コーディングエージェント。Rust 製・オープンソース(Apache-2.0)で、OpenAI の GPT 系モデル(執筆時は GPT-5 系、2026年10月時点は GPT-6 系)で動く
  • インストールは npm install -g @openai/codex か brew install --cask codex。ChatGPT アカウントでサインインすれば各プランの一部として使える(2026年10月時点では Free・Go も対象)
  • 権限はサンドボックス(read-only / workspace-write / danger-full-access)× 承認ポリシー(執筆時は untrusted / on-request / never ほか、2026年10月時点は on-request / never)の2軸。--full-auto は「workspace-write + on-request」のプリセット(現在は非推奨)
  • 非対話実行は codex exec。AGENTS.md と MCP に対応し、その資産は Claude Code と共通で活きる
  • 選び方は「優劣」より「持っているプラン・タスクとの相性」。併用して別モデルで解かせ見比べるのも有効

Claude Code と Codex CLI は、競合でありながら AGENTS.md・MCP・2軸の権限設計という共通の土台を持っています。どちらか一方に賭けるより、両方を引き出しに持って使い分けるのが、いまのAIコーディングの賢い構えです。

参考リンク

OpenAI Codex バージョンヒストリー - CLI 0.1 から 0.161 まで、モデルとアプリの変遷

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