Codex Plugin for Claude Code 入門 - Claude Code から Codex にレビューとタスクを任せる

Codex Plugin for Claude Code 入門 - Claude Code から Codex にレビューとタスクを任せる

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Claude Code でコードを書いていると、「別のモデルにレビューさせたい」「込み入った調査やバグ修正だけ別エンジンに丸投げしたい」と思う場面があります。これを Claude Code の中から完結させるのが、OpenAI 公式の Codex Plugin for Claude Codeopenai/codex-plugin-cc)です。

/codex:review でローカルの変更を Codex にレビューさせ、/codex:rescue で実装・調査タスクを Codex に委譲する——つまり「Claude Code を司令塔に、Codex を別働隊として使う」プラグインです。この記事では、公式リポジトリとローカルにインストールしたプラグイン実体(v1.0.4、2026年6月時点)をもとに、セットアップ・使い方・注意点・運用ルールを整理します。

これは何か: 「レビュー」と「委譲」の2系統

このプラグインがやることは、大きく2つだけです。

系統コマンド性質
レビュー/codex:review /codex:adversarial-reviewread-only。Codex の出力をそのまま返す。コードは変更しない
委譲(rescue)/codex:rescue書き込み可能。調査・実装・修正を Codex のサブエージェントに任せる

ポイントは、レビュー系は絶対にコードを触らない(Codex の出力を verbatim で返すだけ)よう、プラグイン側で制約がかかっていること。一方 rescue は、明示的に read-only を指定しない限りデフォルトで書き込み可能(--writeで走ります。この非対称性が安全運用の肝になります(後述)。

Cursor を agent -p --mode ask で読み取り専用レビューに使うのと発想は近いですが、こちらはClaude Code のスラッシュコマンドとして統合され、ローカルの Codex CLI 認証をそのまま使う点が違います。

前提・要件

公式 README によると、必要なのは次の3つです。

  • ChatGPT サブスクリプション、または OpenAI API キー
  • Node.js 18.18 以降
  • ローカルの Codex CLI@openai/codex

認証や設定は既存の Codex CLI のものをそのまま共有します。プラグインが独自にキーを持つわけではなく、手元の codex が通っていれば、その認証・モデル・エンドポイント設定を流用します。

セットアップ

導入はスラッシュコマンドだけで完結します。

インストール手順
/plugin marketplace add openai/codex-plugin-cc
/plugin install codex@openai-codex
/reload-plugins
/codex:setup

/codex:setup は、Codex CLI が入っているか・認証済みかを検査します。未インストールなら(npm が使えれば)その場でインストールするか聞いてきますし、未認証なら案内が出ます。

Codex CLI の用意(必要に応じて)
npm install -g @openai/codex     # 未インストールなら
!codex login                      # 未認証なら(Claude Code 内で ! 接頭辞で実行)

ブラウザログインが塞がれている環境では、!codex login --device-auth!codex login --with-api-key にフォールバックできます。プラグイン由来のコマンドは /codex:xxx (codex) のようにプラグイン名付きで表示されます。プラグイン導入全般の流れは Claude Code プラグイン導入ガイドもどうぞ。

コマンド一覧

v1.0.4 で提供されるコマンドは次の7つです。

コマンド役割状態
/codex:reviewローカル git 状態に対する標準レビュー(read-only)Active
/codex:adversarial-review設計判断・前提・トレードオフに切り込む批判的レビューActive
/codex:rescue調査・実装・修正を Codex サブエージェントに委譲Active
/codex:status実行中・完了したジョブの一覧(review gate 状態も含む)Active
/codex:result完了ジョブの最終出力を表示(セッションID付き)Active
/codex:cancel実行中のバックグラウンドジョブを停止Active
/codex:setup導入状態の確認と review gate の有効/無効切替Active

レビューを任せる: /codex:review

いちばん使うのがこれです。ローカルの git 状態(working tree やブランチ差分)を Codex がレビューし、その出力をそのまま返します。Claude が要約も加筆もせず、Codex の所見を verbatim で見せるのが原則です。

使用例
/codex:review
/codex:review --base main          # main との差分をレビュー
/codex:review --background          # バックグラウンド実行
/codex:review --scope working-tree  # 対象範囲を明示

フラグを付けない場合、Claude はレビュー規模を見積もり(git statusgit diff --shortstat で)、小さければ「待つ」、大きい/不明なら「バックグラウンド」を推奨して一度だけ確認します。実行モードの主なフラグは次のとおり。

フラグ意味
--waitフォアグラウンドで完了まで待つ
--backgroundバックグラウンドで非同期実行(/codex:status で進捗確認)
--base <ref>指定ブランチ/コミットとの差分をレビュー
--scope auto|working-tree|branchレビュー対象範囲

レビュー結果は内部的に構造化スキーマverdictapprove / needs-attentionfindings は severity・confidence・該当ファイル・行番号・推奨対応を持つ)で返るため、指摘が「どのファイルの何行目か」まで具体的に出ます。

NOTE

/codex:reviewネイティブレビュー専用で、staged のみ・unstaged のみといった細かい範囲指定や、追加の観点テキストは受け付けません。観点を指定したい・もっと突っ込んでほしいときは次の /codex:adversarial-review を使います。

設計に切り込む: /codex:adversarial-review

/codex:adversarial-review は、単に「より厳しい欠陥チェック」ではなく、「その実装方針・設計判断は本当に正しいのか」を問うレビューです。選んだアプローチが依存している前提、トレードオフ、現実条件下で破綻しうる箇所に焦点を当てます。

観点を添えて批判的レビュー
/codex:adversarial-review この排他制御で本当に競合を防げているか重点的に

/codex:review と違い、フラグの後ろに自由記述の観点(focus)を足せるのが特徴です。実装は動くが「設計としてこれでいいか」を別モデルに殴ってほしいときに向きます。

タスクを委譲する: /codex:rescue

/codex:rescue は、調査・実装・修正そのものを Codex に渡すコマンドです。内部的には codex:codex-rescue というサブエージェントが、Codex companion ランタイムへ薄く転送します。

使用例
/codex:rescue この再帰でスタックオーバーフローする原因を特定して直して
/codex:rescue --background 失敗しているテストを全部通るようにして
/codex:rescue --read-only このメモリリークの原因だけ調査して(修正はしない)

重要なのは、rescue はデフォルトで書き込み可能--write 相当)で走ること。「レビュー・診断・調査だけで編集はいらない」ときは、明示的に read-only を指定します。実行・継続まわりのフラグは次のとおり。

フラグ意味
--background / --wait非同期 / 完了まで待つ
--resume / --fresh直前の Codex スレッドを継続 / 新規で開始
--model <model|spark>使うモデル指定(sparkgpt-5.3-codex-spark にマップ)
--effort <none|minimal|low|medium|high|xhigh>推論の深さ

フラグを付けない場合、Claude は同一セッションに継続可能な Codex スレッドがあるかを確認し、あれば「現在のスレッドを継続するか / 新規に始めるか」を一度だけ聞きます。「続けて」「さっきの修正を適用して」のような明らかな継続指示なら継続が推奨されます。

NOTE

--model--effort はデフォルトで未指定です。Codex 側の設定(後述の config.toml)が使われるので、特別な理由がない限り指定しないのが素直です。委譲後の作業は Codex 側で codex resume <session-id> を使って直接続けることもできます。

ジョブの管理: status / result / cancel

バックグラウンド実行したジョブは、次の3コマンドで扱います。

  • /codex:status … このリポジトリの実行中・過去ジョブを一覧(ジョブID・種別・状態・フェーズ・経過時間・要約・次アクション)。/codex:status <job-id> で詳細
  • /codex:result <job-id> … 完了ジョブの最終出力を全文表示(verdict・findings・ファイル/行・次の一手まで省略せず)
  • /codex:cancel <job-id> … 実行中のバックグラウンドジョブを停止

長く走る rescue やリポジトリ規模のレビューは --background で投げ、/codex:status で覗き、/codex:result で受け取る——という非同期運用が基本形です。

review gate: stop 時に自動レビューを挟む仕組み

このプラグインの尖った機能が stop-time review gate です。/codex:setup --enable-review-gate で有効化すると、Claude がターンを終えようとするたび(Stop フック)に、直前のターンのコード変更を Codex が自動レビューします。

仕組みはこうです。

  • 直前ターンで実際にコード編集があった場合のみレビュー対象になる(/codex:setup/codex:status のような状態報告だけのターンは対象外で即 ALLOW
  • Codex は1行目に ALLOW: 理由BLOCK: 理由 を返す
  • 出荷前に直すべき問題が見つかったときだけ BLOCK。リポジトリの実状態で裏取りしてからブロックする設計
review gate の切替
/codex:setup --enable-review-gate    # 有効化
/codex:setup --disable-review-gate   # 無効化

WARNING

review gate は強力ですが、使い方を誤ると長いループと急速なクォータ消費を招きます。ターンのたびに別モデルのレビューが走るため、BLOCK -> 修正 -> また BLOCK という往復が積み上がりやすい。常時オンにするより、重要な変更を仕上げる局面だけ有効化し、普段は手動の /codex:review で十分なことが多いです。Stop フックのタイムアウトは900秒(15分)まで許容される設計で、それだけ「待たされる」可能性があるという点も理解して使ってください。

設定: Codex の config.toml を共有する

モデルや推論強度の既定値は、プラグインではなくCodex CLI の設定ファイルで決まります。

ファイルスコープ
~/.codex/config.tomlユーザー全体
.codex/config.tomlプロジェクト単位(信頼設定が必要)

主な設定キーは model(既定モデル)、model_reasoning_effort(推論強度)、openai_base_url(エンドポイント)など。プラグインは手元の API キー・エンドポイントをそのまま使うので、社内プロキシや互換エンドポイントを使っている場合もこの設定が効きます。

注意点

  • レビューは read-only、rescue は書き込み可能(デフォルト)。この差を取り違えると、レビューのつもりが編集されることはない代わりに、rescue は黙ってコードを変えます。意図しない編集を避けたいなら read-only を明示する
  • Codex の認証・課金は手元の Codex CLI に従う。Claude Code 側のサブスクリプションとは別に、ChatGPT サブスク or OpenAI API キーの利用枠を消費する
  • review gate は常時オン非推奨。ループとクォータに注意(上記 WARNING)
  • レビュー出力はverbatim で返る設計。Claude が勝手に要約・修正しないのは正しい挙動なので、長くても原文を読む前提で使う
  • 別モデルの指摘も鵜呑みにしない。Codex の所見を Claude 側で再検証し、偽陽性を除いてから取り込むと事故が減る(モデル相互チェックの精神)

おすすめの運用ルール

実際に使ってみて、安全と効率の両立に効いた運用ルールをまとめます。これは「こう縛ると事故りにくい」という指針です。

  1. レビューは原則 /codex:review、設計を疑いたいときだけ /codex:adversarial-review。日常は前者、節目(アーキ変更・公開前)は後者、と使い分ける
  2. rescue は『調査だけ』と『修正込み』を明確に分ける。原因究明フェーズは read-only で投げ、方針に納得してから書き込み有りで再依頼する。いきなり書き込み rescue で広範囲を任せない
  3. 大きい作業は必ず --background。フォアグラウンドで長時間ブロックさせず、/codex:status -> /codex:result で受け取る
  4. review gate は『仕上げの局面』限定でオン。普段はオフ。重要 PR を出す直前だけ有効化し、終わったら --disable-review-gate で戻す
  5. モデル・effort はデフォルト(config.toml 任せ)を基本。速度が欲しい軽作業だけ spark、深く考えさせたい難所だけ高い effort、と例外的に上げる
  6. Codex の指摘は Claude 側で再検証してから採用。別モデルだからこそ視点は増えるが、確証のない指摘は「要確認」として扱い、そのまま直さない
  7. 機密は config の共有範囲に注意.codex/config.toml をプロジェクトに置くときは、エンドポイントやキーの扱いをチームで合意する

Claude Code / Codex CLI / Cursor の使い分け

同じ「Codex を使う」でも入口が複数あります。

入口立ち位置向く用途
Codex Plugin(本記事)Claude Code を司令塔に Codex を別働隊として呼ぶClaude で書きつつ、レビュー/難所だけ Codex に振る
Codex CLI 単体Codex を主役として手元で対話Codex 中心で開発を進める
Cursor の別モデルレビューCursor から GPT 系へ読み取りレビューCursor 中心のワークフロー内で相互チェック

本プラグインの旨味は、Claude Code から出ずに、別モデルの目と手を借りられること。普段の主作業は Claude Code、込み入った調査や設計批判だけ Codex——という「2エンジン体制」を、コンテキストを切らずに回せます。GitHub Copilot coding agent のような「クラウドに投げる」エージェントとも併用でき、手元・別モデル・クラウドを用途で振り分けられます。

まとめ

  • Codex Plugin for Claude Code は、Claude Code の中から Codex にレビュー(read-only)タスク委譲(rescue・書き込み可)を任せる OpenAI 公式プラグイン(v1.0.4)
  • 要件は ChatGPT サブスク or API キー / Node 18.18+ / ローカル Codex CLI。認証・設定は手元の Codex を共有
  • 導入は /plugin marketplace add openai/codex-plugin-cc -> /plugin install codex@openai-codex -> /codex:setup
  • /codex:review(標準)/ /codex:adversarial-review(設計批判)/ /codex:rescue(委譲)が主役。--background/codex:status /codex:result で非同期運用
  • review gate は stop ごとに自動レビューを挟める強力機能だが、ループ・クォータに注意。仕上げ局面だけオンが安全
  • 運用は「レビューは read-only 中心、rescue は調査と修正を分離、大物は background、gate は限定オン、指摘は再検証」が事故りにくい

「Claude で書いて、Codex に見てもらう/難所を任せる」——2つの強力なエージェントを1つのターミナルで連携させられるのが、このプラグインの本質的な価値です。

参考リンク