
Superset(現Paradev)入門 - Claude CodeやCodexをworktreeで並列に動かすアプリの仕組みと料金
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Claude CodeやCodexに作業を任せるようになると、1本のエージェントが終わるのを待つ時間が気になってきます。待っている間に別の作業を投げたいのですが、同じディレクトリで2本目を動かすと、お互いのファイルを書き換え合って壊れます。
この問題に対する定番の答えが git worktree です。タスクごとに作業ディレクトリとブランチを分ければ、エージェント同士がぶつかりません。ただ、worktreeが5個、10個と増えると、作って、依存関係を入れて、終わったら消す、という管理を手作業で続けるのは大変です。
Supersetは、この管理をまるごと引き受けるデスクトップアプリです。2026年10月26日に名前がParadevに変わりましたが、superset コマンドや設定ファイルの名前はそのまま残っています。この記事では、旧名で知られているSupersetを、新しい公式サイト(paradev.com)とドキュメントをもとに整理します。
NOTE
本文の仕様・料金・数値は2026年10月29日に確認したものです。出典は公式サイト(paradev.com)、公式ドキュメント、改名の発表、料金ページ、変更履歴、GitHubのリポジトリ(paradevai/paradev)です。GitHubのスター数はGitHub APIの値です。公式は「毎日リリースしている」としているため、細かい部分はすぐに変わる可能性があります。
Supersetとは何か
Supersetは、CLIで動くコーディングエージェントを、タスクごとに分けたgit worktreeの中で同時に動かすためのアプリです。公式サイトは「Run an Army of Coding Agents」(コーディングエージェントの軍団を動かす)と打ち出していて、100本以上のエージェントを並べて動かせるとしています。
まず事実関係を表にします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 現在の名前 | Paradev(2026年10月26日にSupersetから改名) |
| 公式サイト | paradev.com(superset.sh からは転送される) |
| 開発元 | Superset Inc.(サイトのフッター表記) |
| GitHub | paradevai/paradev(旧 superset-sh/superset) |
| ライセンス | Elastic License 2.0(ELv2)。ソースは公開されているが、OSIが認めるオープンソースではない |
| リポジトリ作成日 | 2025年10月21日 |
| GitHubスター | 15,688(2026年10月29日時点) |
| 主要言語 | TypeScript |
| 最新版 | デスクトップ版 2.0.0(2026年10月26日) |
| デスクトップ | macOS(Apple Silicon / Intel)。Linux x64のAppImageは実験的。Windowsは未対応 |
| ほかの使い方 | CLI(macOS、Linux x64 / arm64)、TypeScript SDK、MCPサーバー、iPhone / iPadアプリ |
| 料金 | 無料プランあり。有料はPro、Team、Ultra、Enterprise |
名前が似ているので補足すると、BIツールの「Apache Superset」とは関係ありません。公式のFAQにも、Apache Supersetとは無関係だと書かれています。また、同じParadevという名前の採用サービス(joinsuperset.com)も別の会社です。
改名とシード調達
10月26日の発表によると、改名の理由は「Supersetという名前を使う製品や会社がほかにも多かったため」です。新しい名前は、弁護士にとってのパラリーガル(paralegal)のように、開発者には並列に働く「paradev」がいる、という意味だと説明されています。
同じ発表で、Union Square Venturesが主導するシードラウンドで1,150万ドルを調達したことも公表されました。3人の創業者はいずれもYC(Y Combinator)出身の会社でCTOを務めていた人で、2025年11月のハッカソンで最初の版を作り、2026年1月に公開したとしています。利用者については、180か国の数十万人の開発者と、Fortune 500の8社に1社が使ったと書かれています(公式の発表による数字です)。
既存の利用者がやることはありません。発表のFAQには次のように書かれています。
- アカウント、ワークスペース、設定、支払いはそのまま引き継がれ、デスクトップアプリは自動で新しい名前に更新される
- superset.sh のリンクは、すべて paradev.com の同じページに転送される
supersetコマンドはそのまま使え、paradevがその別名として追加された
このため、この記事に出てくるコマンドやファイル名も superset や .superset のままです。
5つの基本概念
公式ドキュメントは、Supersetの考え方を「ワークスペースで任せて、ブランチとPRで取り込む」と一言でまとめ、その中身を5つの概念で説明しています。
| 概念 | 中身 |
|---|---|
| Project | Supersetに登録したリポジトリ。ローカルのフォルダかGitのURLから登録する |
| Workspace | 1つのタスク用の作業場所。専用のブランチを持つgit worktreeで、ディレクトリ、ターミナル、ポートも専用 |
| Terminal | ワークスペースごとのターミナル。アプリを再起動しても中のプロセスとスクロールバックが残る |
| Agent | ワークスペースの中で動かすCLIエージェント。Claude Code、Codex、Amp、Geminiなど |
| Device | ワークスペースのファイルとターミナルを持つマシン。手元のMacでなくてもよい |
使い方は単純で、タスクを1つ思いついたら ⌘N でワークスペースを作り、エージェントに指示を出し、終わったら差分を見てPRにする、という流れです。ワークスペースは使い捨てる前提で、ブランチがマージされたら消します。
複数のエージェントに同じ指示を出して一番よい結果を採用する「レース」や、大きなリファクタリングを分けて並列に進める使い方も、ドキュメントでは5つの概念の組み合わせとして紹介されています。
インストール
デスクトップアプリは公式サイトのダウンロードページから入手します。macOS向けのdmgはApple Silicon版で約451MB、Intel版で約464MBです。Linux向けにはAppImageとdebが配られていますが、ドキュメントでは「実験的で未検証」とされています。
使う前に必要なものは次のとおりです。
- Git
- GitHub CLI(
gh)。PRを扱う機能で使う。なくても動くが、初回の案内でインストールを勧められる - 普段使っているコーディングエージェント(Claude Code、Codexなど)を1つ以上
最後の点が大事で、Supersetはエージェントを起動するだけで、モデルの利用料はそれぞれのエージェントの契約やAPIキーで払います。Supersetの料金にモデルの利用料は含まれていません。
初回起動時には、必要なものがそろっているかを自動で確かめる画面が出ます。Claude CodeとCodexは自動で見つけてくれて、ほかのエージェントはあとから設定画面で追加できます。
CLIだけを入れる場合は、公式サイトに次の2つの方法が載っています。
# Homebrew
brew install paradevai/tap/superset
# インストールスクリプト(macOSとLinux)
curl -fsSL https://paradev.com/cli/install.sh | shワークスペースの作り方
ワークスペースは、新しいブランチ、既存のブランチ、PRのいずれかから作れます。PRから作ると、レビュー中のPRの続きをそのまま触れます。
ブランチ名は自分で付けてもよいのですが、付けなければ、指示の文章とリンクしたIssueやPRから、小さなモデルが自動で名前を付けます。モデルの認証情報が使えないときは interesting-forest のような単語の組み合わせになる、とFAQに書かれています。
worktreeは ~/.superset/worktrees/ の下に、普通のgit worktreeとして作られます。Supersetが独自の形式で保存するわけではないので、ターミナルから git worktree list で見ても同じものが並びます。ほかのツールで作ったworktreeを取り込む機能もあります。
ワークスペースの一覧は、かんばん形式の画面で見られます。列は次のように分かれていて、どのエージェントが動いていて、どれが自分の確認を待っているかがひと目で分かります。
| 列 | 意味 |
|---|---|
| Idle | 何もしていない |
| Working | エージェントが作業中 |
| Needs attention | エージェントが入力を待っている |
| Needs review | 作業が終わり、確認を待っている |
| Merged / Deleted | マージ済み、または削除済み(履歴として残る) |
決まりごとがいくつかあります。
- 1つのブランチは1つのワークスペースでしか使えない
- プロジェクトはgitリポジトリである必要がある。リポジトリなしで試したいときは「Session」という、プロジェクトに属さない作業場所を使う(
~/.superset/sessions/に作られる) - 削除したワークスペースは復元できるが、戻るのはコミット済みの内容だけ。コミットしていない変更は削除した時点で消える
.superset/config.json で準備を自動にする
worktreeを使うと最初に困るのが、node_modules や .env です。worktreeに入るのはgitで管理しているファイルだけなので、依存パッケージや秘密情報のファイルは入っていません。
Supersetでは、リポジトリに .superset/config.json を置いて、ワークスペースを作ったときと消したときに実行するコマンドを書きます。
{
"setup": ["bun install", "cp \"$SUPERSET_ROOT_PATH/.env\" .env"],
"teardown": ["docker-compose down"],
"run": ["./.superset/run.sh"]
}それぞれの役割は次のとおりです。
| キー | 実行されるタイミング |
|---|---|
| setup | ワークスペースを作ったとき。上から順に実行 |
| teardown | ワークスペースを消したとき |
| run | 画面のRunボタンを押したとき。開発サーバーなど、動かし続けるもの用 |
コマンドの中では次の環境変数が使えます。上の例では、元のリポジトリにある .env を新しいworktreeにコピーしています。
| 変数 | 中身 |
|---|---|
SUPERSET_ROOT_PATH | 元のリポジトリのパス |
SUPERSET_WORKSPACE_NAME | ワークスペースの名前 |
SUPERSET_WORKSPACE_PATH | ワークスペース(worktree)のパス |
チームで共有する設定とは別に、自分だけの設定を足すこともできます。リポジトリに .superset/config.local.json を置くと自動でgitの管理から外れ、チームの setup の前後に自分のコマンドを足せます。リポジトリに何も置きたくない場合は、ホームディレクトリの ~/.superset/projects/<リポジトリのパス>/config.json で上書きできます。
注意したいのは、初期設定ではエージェントが setup と同時に動き出す点です。依存パッケージを入れ終わる前にエージェントがテストを走らせて失敗する、ということが起こりえます。Settings → Experimental の「Wait for workspace setup before starting agents」を有効にすると、setup が成功してからエージェントが起動するようになります。
対応しているエージェント
ターミナルで動くエージェントなら、何でも動かせます。公式に組み込まれているエージェントは20以上あり、どこまで連携できるかはエージェントごとに違います。主なものを抜き出すと次のとおりです。
| エージェント | 状態の表示 | 再起動後の再開 | 利用量の履歴 | 上限の表示 |
|---|---|---|---|---|
| Claude Code | 対応 | 対応 | 対応 | 対応(複数アカウント可) |
| Codex | 対応 | 対応 | 対応 | 対応(複数アカウント可) |
| OpenCode | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| Grok | 対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
| Cursor Agent | 対応 | 対応 | 対応 | なし |
| Copilot | 対応 | 対応 | 対応 | なし |
| Gemini | 対応 | 対応 | なし | なし |
| Amp | 対応 | 対応 | なし | なし |
「状態の表示」は、エージェントが作業中か、入力待ちか、終わったかをSupersetが把握できるかどうかです。これがあると、サイドバーの表示や通知が働きます。一覧にないエージェントも、Settings → Agents から「Custom agent」として追加すれば、worktreeとターミナルは同じように使えます。
この状態の表示のために、Supersetはエージェントの起動コマンドを包むラッパー(~/.superset/bin)を置き、エージェントの設定ファイルにフックを追加します。フックを消すと通知などが働かなくなる、とFAQに書かれています。自分でClaude Codeのフックを作り込んでいる人は、追加された内容を一度確認しておくとよいでしょう。
一方で、モデルとのやり取りにSupersetは入りません。指示の文章やトークンは、エージェントのCLIから各社のAPIへ直接送られます。公式はこれを「モデルの呼び出しを中継しない」と繰り返し書いています。
利用量の画面と複数アカウント
Usageの画面では、Claude CodeとCodexの契約の上限(Claudeなら5時間枠と週の枠)が、何%使われていて、あと何分で戻るかを確認できます。5分ごとに更新されます。
同じマシンでClaudeやCodexの別のアカウントを切り替えて使うこともできます。仕組みは、アカウントごとに設定ディレクトリ(CLAUDE_CONFIG_DIR や CODEX_HOME)を分けているだけです。スキルやMCPサーバーの設定は全アカウントで共有されます。
あわせて、エージェントのローカルのログから、同じ作業をAPIの料金で払った場合の金額も計算してくれます。定額の契約なら実際に払う額は増えませんが、どのワークスペースで多く使ったかを見るのに役立ちます。
アプリを閉じてもエージェントは止まらない
Supersetのターミナルは、アプリのウィンドウではなく、裏で動くデーモンに属しています。そのため、アプリを閉じたり更新したりしても、中で動いているエージェントは止まりません。アプリを開き直すと、スクロールバックごと元の画面に戻ります。
どの操作で何が止まるかは、ドキュメントに表でまとまっています。
| 操作 | エージェントは動き続けるか | ほかの端末やAutomationsから届くか |
|---|---|---|
| 最後のウィンドウを閉じる | 動き続ける | 届く(アプリは起動したまま) |
⌘Q で終了 | 動き続ける | 届かない(アプリを開くまで) |
| アップデートをインストール | 動き続ける | アプリの再起動後に届く |
| メニューの「Quit Paradev Completely」 | 止まる | 届かない |
| Macの再起動やログアウト | 止まる | 届かない |
ノートPCを閉じた場合は、スリープ中はほかのプロセスと同じように止まり、復帰すると続きから動きます。ノートPCを閉じている間も作業を続けさせたいなら、別のマシンをホストとして追加します。
リモートアクセスとiPhoneアプリ
Proプラン以上では、別のマシンにあるワークスペースを、手元のSupersetから操作できます。机の下のMac miniや、チームで共有している開発用マシンに作業させて、手元では差分だけ見る、という使い方です。
マシン同士の通信は、Supersetが運営する中継サービス(Paradev Relay)を通ります。ホストにする方法は2つあります。
- デスクトップアプリの Settings → Remote Access で「Allow remote access to this device via relay」を有効にする
- そのマシンでCLIからホスト用のサーバーを起動する
superset auth login
superset start --daemon
superset status # 起動したかを確認ブラウザーでログインできないサーバーでは、設定画面で発行したAPIキーを環境変数 SUPERSET_API_KEY に入れて起動します。SSHで入れるマシンなら、デスクトップアプリの Settings → Hosts から、SSHの接続先を入れるだけでホストにできます。
ここで公式ドキュメントが注意しているのが、普段使いのマシンをそのまま公開することです。リモートアクセスを有効にすると、そのマシンのファイル、ターミナル、エージェントが、許可した相手から操作できるようになります。公式は、共有したいリポジトリと認証情報だけを入れた別のマシンを用意することを勧めています。
リモートのワークスペースを選ぶと、そこで動いている開発サーバーのポートが手元のMacの同じ番号に転送されます。手元のブラウザーで localhost:3000 を開けば、リモートの開発サーバーが見えます。この通信も中継サービスを通ります。
iPhoneとiPadのアプリ(iOS 26 / iPadOS 26以降、Proプランが必要)では、エージェントの様子を見て、指示を送り、差分を確認してPRをマージするところまでできます。手元のマシンにあるワークスペースを触るには、そのマシンでリモートアクセスを有効にして、起動したままにしておく必要があります。Androidアプリは準備中です。
クラウドワークスペース(ベータ)
TeamプランとUltraプランには、クラウド上の仮想マシンでワークスペースを動かす機能が付きます。ただし早期アクセスの段階で、ドキュメントには「すべてのアカウントで使えるわけではない」と書かれています。
クラウドワークスペースは、手元のマシンをつないでおかなくても、デスクトップやiPhoneから使えます。リポジトリはSupersetのGitHub Appを通してクローンされるため、GitHubとの連携が必要です。マシンの大きさは作るときに選び、あとから変えることはできません。
| サイズ | vCPU | メモリ | 使える条件 |
|---|---|---|---|
| Small | 2 | 4GB | 有料プラン |
| Medium | 4 | 8GB | 有料プラン(既定) |
| Large | 8 | 16GB | 有料プラン |
| X-Large | 16 | 32GB | 申し込みが必要 |
| 2X-Large | 32 | 64GB | 申し込みが必要 |
ディスクはどのサイズも64GBです。目安として、8GBのノートPCで快適に動くものならMedium、16GB必要ならLargeを選ぶよう案内されています。
クラウドワークスペースでは、環境変数に ANTHROPIC_API_KEY、OPENAI_API_KEY、GH_TOKEN、GITHUB_TOKEN などを入れても使われません。エージェントは設定画面でサインインしたアカウントを、GitHubは連携したアカウントを使います。APIキーで動かしている人は気を付けてください。
Automations
Automationsは、決まった時刻や外部のイベントをきっかけにエージェントを動かす機能です。Proプラン以上で使えます。きっかけには次のものを選べます。
- GitHub(レビューを頼まれた、PRが閉じられた、など)
- Slack、Linear、Sentry、Notion
- Microsoft Teams(Enterpriseプランのみ)
- Webhook
- スケジュール(毎日9時、毎週日曜など)
きっかけが起きると、あらかじめ選んだマシンで新しいワークスペースが作られ、書いておいた指示でエージェントが動き出します。イベントから動いた場合は、そのイベントの内容がエージェントに渡されます。公式の例には、Sentryに新しいエラーが出たら再現テストを書いて修正のドラフトPRを作る、レビューを頼まれたPRのテストを走らせてレビューする、毎晩依存パッケージの安全な更新を入れる、といったものがあります。
注意点は、実行するマシンがその時刻に中継サービスにつながっている必要があることです。Macがスリープしていたり、アプリを終了していたりすると、その回は失敗し、自動では再実行されません。夜間に動かすなら、スリープしないマシンをホストにするか、クラウドワークスペースを使うことになります。1つのAutomationには最大25個のきっかけを設定できます。
CLI、SDK、MCPサーバー
画面で操作できることの多くは、CLIからも操作できます。
superset new "fix onboarding crash" --agent claude
superset lsこのほか、TypeScriptのSDKと、MCPサーバー(https://api.superset.sh/mcp)があります。MCPサーバーをClaude Codeにつなぐと、エージェントがSupersetのワークスペースを作ったり、別のエージェントを起動したり、ターミナルの画面を読んだりできるようになります。つまり、エージェントが自分で仕事を分けて、ほかのエージェントに配ることもできます。
claude mcp add superset --transport http https://api.superset.sh/mcp料金
料金はユーザー1人あたりの月額です(2026年10月29日時点)。
| プラン | 月払い | 年払い(月あたり) | 主な内容 |
|---|---|---|---|
| Free | 0ドル | 0ドル | 1人、ローカルのワークスペース、デスクトップアプリ、CLI |
| Pro | 20ドル | 16ドル | Freeの内容、リモートアクセス、Automations、Linear・Slack連携、モバイルアプリ |
| Team | 60ドル | 54ドル | Proの内容、クラウドワークスペース(1人あたり月150時間) |
| Ultra | 200ドル | なし(月払いのみ) | Teamの内容、クラウドワークスペース(1人あたり月500時間) |
| Enterprise | 個別見積もり | 年払いのみ | SAML SSO、SCIM、監査ログ、IP制限、SLAなど |
クラウドワークスペースの時間は、4vCPU・8GBのMediumで動かした場合の目安です。実際にはメモリの量と時間をかけた「GB時間」で数えるため、Largeで動かすと2倍の速さで減ります。チーム全員の分が1つにまとめられ、毎月リセットされます。超えた分は1GB時間あたり0.06ドルです。
ワークスペースの数とプロジェクトの数は、無料プランでも無制限です。1人で手元のMacだけで使うなら、無料プランで主な機能は試せます。
データの扱い
公式は「ローカルファースト」を掲げていて、リポジトリ、worktree、ターミナルの出力、エージェントのセッションは手元のマシンに残る、としています。クラウドに同期されるのは、アカウントと組織の情報だけです。
ただし、FAQには次の例外も書かれています。
- リモートアクセスを有効にすると、ワークスペースの通信が中継サービスを通る
- クラウドワークスペースでは、コードがクラウドで動く
- Pagesの機能(エージェントが作った資料をチームに共有する機能)で公開した内容はアップロードされる
- エージェントは、設定したモデルの提供元に指示の文章と周辺の情報を送る
また、プライバシーポリシー(2026年9月29日更新)では、見た画面や使った機能などの利用データを集め、PostHogなどの分析サービスで処理するとしています。このデータは、アカウントのID、名前、メールアドレスとひも付けられます。
セキュリティ面では、SOC 2 Type IIの監査を終えていて、報告書は公式のTrust Centerから申し込めます。
Herdr、cmux、Orcaとの違い
複数のコーディングエージェントを並べて動かすツールは、ここ1年でいくつも出てきました。同じ日に記事にしたHerdrとcmux、以前の記事で紹介したOrcaと並べると、Supersetの立ち位置が分かりやすくなります。
| 項目 | Superset(Paradev) | Herdr | cmux | Orca |
|---|---|---|---|---|
| 形 | デスクトップアプリ | ターミナルの中で動くTUI(Rust製の単一バイナリ) | macOSのターミナルアプリ(Swift、libghostty) | デスクトップアプリ |
| 中心にあるもの | worktreeの配布、差分レビュー、PR | 止まらないセッションと、エージェントの状態の判定 | 通知リング、分割ペイン、ソケットAPI | worktreeの配布、差分レビュー |
| worktreeを自動で作るか | 作る(タスクごと) | 作れるが主役ではない | 確認した範囲では機能なし | 作る(タスクごと) |
| 差分レビューとPRの画面 | あり | なし | なし | あり |
| 対応OS | macOS(Linuxは実験的) | macOS、Linux、Windows | macOS | macOS、Windows、Linux |
| スマホから | iPhone / iPadアプリ | SSHアプリ経由 | iOSアプリ(早期アクセス) | iOS、Android |
| ライセンス | Elastic License 2.0 | Apache-2.0 | GPL-3.0-or-later(サーバー側はBUSL-1.1) | MIT |
| 料金 | 無料、有料はPro 20ドル/月から | 無料 | 無料、有料はPro 50ドル/月から(Cloud VM) | 無料 |
Orcaの列は2026年8月26日、ほかの3つは2026年10月29日に確認した情報です。
大きく分けると、SupersetとOrcaは「worktreeを配って、差分を見て、PRにする」までを1つのアプリで面倒を見るツールです。HerdrとcmuxはターミナルそのものをAIエージェント向けに作り直したツールで、worktreeの運用やレビューは自分で組み合わせる前提です。
SupersetとOrcaの間では、WindowsやWSLで使いたい人、MITライセンスにこだわる人はOrca、AutomationsやiPhoneアプリ、チームでの共有まで含めて有料でも一式そろえたい人はSuperset、というのが大まかな分かれ目になりそうです。なお、各社の公式サイトにも比較ページがありますが、どれも開発元から見た比較なので、その前提で読むのがよいと思います。
使う前に把握しておきたいこと
- worktreeは隔離された環境(サンドボックス)ではありません。FAQにもはっきり書かれていて、エージェントは同じマシンの上で、プロセス、ネットワーク、worktreeの外のファイルを共有しています。危ない操作をさせたくないなら、エージェント側の権限設定で絞る必要があります。
- worktreeでファイルの衝突は避けられますが、マージするときの衝突は避けられません。同じ場所を複数のエージェントに触らせると、最後に人がまとめることになります。
- デスクトップアプリはmacOSが中心で、Linuxは実験的、Windowsは未対応で予定の時期も出ていません。
- GitHub以外(GitLabや社内のGitサーバー)のリポジトリは、手元では使えますが、複数のマシンで同じプロジェクトとして扱う機能はGitHubを前提にしています。
- GitHubでサインインしたアカウントとGoogleでサインインしたアカウントは、同じメールアドレスでも別のアカウントになります。最初に使った方法でサインインし続けるのが無難です。
- エージェントの設定ファイルにフックが追加されます。Claude Codeのフックを自分で管理している人は、変更内容を確認してください。
- リモートアクセスを普段使いのマシンで有効にすると、そのマシン全体の作業が操作できる範囲に入ります。公式が勧めるとおり、専用のマシンを用意するのが安全です。
- 改名の途中のため、ドキュメントやリンクに
superset.shとparadev.comの両方が出てきます。公式は「どちらのドメインも自分たちのもの」としていますが、メールやリンクを確かめるときは両方を覚えておくとよいでしょう。 - アカウントの削除やメールアドレスの変更は、まだ画面からはできず、サポートへのメールでの依頼になります。
どんな人に向くか
向いているのは、Claude CodeやCodexを毎日使っていて、1本ずつ待つことに限界を感じている人です。特に、機能の追加、バグ修正、PRのレビューを並行して進めたい人や、同じ課題を複数のエージェントに投げて比べたい人には合います。Mac miniなどの常時動かせるマシンを持っているなら、リモートアクセスとAutomationsで、寝ている間に依存パッケージの更新やエラーの調査を進めさせる使い方もできます。
向いていないのは、エージェントを1日に数回しか使わない人や、Windowsが中心の人です。前者はworktreeを管理する手間に見合う効果が出にくく、後者はそもそもデスクトップアプリが動きません。
tmuxとシェルスクリプトで自分の環境を作り込んでいる人は、判断が分かれると思います。worktreeを切ってエージェントを起動するところまでは、自分で書いても再現できます。差分を見てPRを作る画面、iPhoneからの操作、Automationsまで自作するかどうかが分かれ目です。
まとめ
- Supersetは、Claude CodeやCodexなどのCLIエージェントを、タスクごとのgit worktreeで同時に動かすアプリ。2026年10月26日にParadevへ改名したが、
supersetコマンドや.supersetの設定はそのまま - ワークスペースは使い捨てのworktreeで、
.superset/config.jsonに setup と teardown を書いておけば、依存パッケージや.envの準備も自動にできる - ターミナルは裏のデーモンが持っているので、アプリを閉じてもエージェントは止まらない
- モデルの呼び出しは中継せず、利用料は各エージェントの契約で払う。Supersetの料金は、リモートアクセスやAutomations、クラウドワークスペースへの対価
- worktreeはサンドボックスではない。エージェントの権限の絞り込みと、マージ時の確認は人の仕事として残る
参考リンク
- Paradev(旧Superset)公式サイト
- Superset is now Paradev. Also, we raised an $11.5M seed
- Paradev Pricing
- Paradev Documentation
- The Paradev Model
- Workspaces
- Project Lifecycle Scripts
- Supported Agents
- Keep Agents Running
- Remote Access
- Cloud Workspaces
- Paradev Automations
- FAQ
- Changelog
- Privacy Policy
- GitHub: paradevai/paradev


