Claude Haiku 5.5 リリース - 入力 $0.10 の高速小型モデルと Haiku 4.5 からの移行ポイント

Claude Haiku 5.5 リリース - 入力 $0.10 の高速小型モデルと Haiku 4.5 からの移行ポイント

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2026年10月7日、Anthropic が Haiku ティアの新モデル「Claude Haiku 5.5」をリリースしました。API のモデルIDは claude-haiku-5-5 です。公式発表は「これまでに出した中で最も安く、最も速く、最も高性能な小型モデル」と紹介しており、価格はプロンプトが10万トークン以下なら入力 $0.10 / 出力 $0.50(100万トークンあたり)と、Claude Haiku 4.5 の $1 / $5 から10分の1になりました。

一方で、Haiku 4.5 向けのコードをそのまま向けると 400 エラーになる変更がいくつもあります。temperature などのサンプリングパラメータ、assistant メッセージの prefill、思考の手動予算指定(budget_tokens)はいずれも拒否されます。分類・抽出・ルーティングのように Haiku を大量に回している人ほど影響を受けやすいので、この記事では仕様・価格・破壊的変更・ベンチマーク・提供状況・Claude Code での扱いを、Anthropic の公式発表と公式ドキュメントを一次ソースに整理します。

リリース概要

項目内容
リリース日2026年10月7日
モデル名Claude Haiku 5.5
API モデルIDclaude-haiku-5-5(日付サフィックスなし、別エイリアスなし)
コンテキスト長1M トークン(Haiku 4.5 は 200k)
最大出力128k トークン(Haiku 4.5 は 64k。Batch API はベータヘッダーで 300k まで)
価格10万トークン以下: 入力 $0.10 / 出力 $0.50、10万トークン超: 入力 $0.50 / 出力 $2.50
入出力テキストと画像を入力、テキストを出力
信頼可能なナレッジカットオフ2026年6月
学習データカットオフ2026年6月
思考(thinking)adaptive(デフォルトでオン。effort high 以下なら無効化も可)
effortHaiku で初めて対応。デフォルトは medium、low から max までの5段階
レイテンシ現行ラインアップで最速(公式の比較表で Fastest)
廃止予定2027年10月7日より前には廃止しない(Anthropic 運営プラットフォーム)

公式ドキュメントの位置づけは「分類、抽出、ルーティング、サブエージェントのような、大量かつレイテンシに敏感な作業向け」です。公式発表では、要約やコンパクション、データベースクエリ、分類リクエストのような反復的な作業に加えて、Opus 5.5 や Sonnet 5.5 と組み合わせたコーディングのサブエージェント、ライブのカスタマーサポートやブラウザ操作のように速度が効く用途を挙げています。

NOTE

本記事のベンチマーク数値や性能・コストに関する記述は、原則として Anthropic 公式発表に基づく同社自身の主張です。第三者による独立検証とは限らない点を踏まえて読んでください。

価格: 10万トークンを境にした段階料金

Haiku 5.5 は、同世代の他モデルと違ってプロンプト長で単価が変わる料金体系です。公式の料金ページの値を並べます(単位はすべて100万トークンあたりの USD)。

項目Haiku 5.5(10万以下)Haiku 5.5(10万超)Haiku 4.5Sonnet 5.5
入力$0.10$0.50$1$2
出力$0.50$2.50$5$10
5分キャッシュ書き込み$0.125$0.625$1.25$2.50
1時間キャッシュ書き込み$0.20$1$2$4
キャッシュ読み取り$0.01$0.05$0.10$0.10
Batch 入力 / 出力$0.05 / $0.25$0.25 / $1.25$0.50 / $2.50$1 / $5

ポイントは3つあります。

1つ目は、10万トークン以下のプロンプトならHaiku 4.5 の10分の1という点です。公式発表の注記によると、Haiku 4.5 へのリクエストの約90%はこの範囲に収まっていたとのことです。10万トークン超でも Haiku 4.5 より50%安い設定です。

2つ目は、閾値の判定方法です。プロンプト長にはキャッシュ読み取り・キャッシュ書き込みを含むすべての入力トークンが数えられ、閾値を超えたリクエストは、一部がキャッシュヒットでもリクエスト全体が高い方の単価になります。判定はリクエストごとで、過去のリクエストの請求額は変わりません。他の 4.6 以降のモデルは 1M コンテキスト全体が標準料金なので、Haiku 5.5 だけ例外になっている点に注意してください。長い資料を丸ごと渡す設計なら、10万トークンを超えないように分割するかどうかがそのままコストに効きます。

3つ目は、トークナイザーの変更です。Haiku 5.5 は Claude 4.7 以降と同じ新しいトークナイザーを使うため、同じテキストでも Haiku 4.5 より約30%多いトークンとして数えられます。公式発表の「平均で約75%安く動く」という数字は、この増加分と、10万トークン超の段階料金を織り込んだ試算です。さらに画像は高解像度ティアで処理されるため、2000×1500 ピクセルの画像は Haiku 4.5 の約2.5倍の視覚トークンになると移行ガイドに書かれています。単価の下げ幅ほどは安くならないケースもあるので、移行後は model を claude-haiku-5-5 にしてトークン数を数え直してください。日本語テキストでの見積もりの考え方は Claude Code のトークン消費と日本円コスト が参考になります。

キャッシュまわりでは、キャッシュ可能な最小プロンプト長が 512 トークンに下がりました(Haiku 4.5 は 4,096)。短いシステムプロンプトでも cache_control が効くようになるので、分類のように同じ指示を大量に投げる用途では効果があります。キャッシュの温め方は プロンプトキャッシュとプリウォーミング にまとめています。

なお、fast mode の料金表に Haiku 5.5 は載っておらず、移行ガイドには Priority Tier が Haiku 5.5 では非対応と書かれています。Haiku 4.5 で Priority Tier を契約している組織は、容量計画を別に考える必要があります。

Haiku 4.5 からの破壊的変更

公式の「What's new in Claude Haiku 5.5」は、Haiku 4.5 からの変更を New / Breaking / Changed に分けて一覧にしています。400 エラーなどで動かなくなる Breaking は次の6つです。

1. 思考の手動予算指定が 400 になる

thinking: {"type": "enabled", "budget_tokens": N} は 400 エラーになります。thinking を省略するか {"type": "adaptive"} にして、思考量は effort で調整します。

ここは Opus 5.5 と違うところで、Haiku 5.5 はeffort が high 以下なら thinking: {"type": "disabled"} で思考を切れます。xhigh と max では無効化すると 400 になります。ただ公式は、品質と速度・コストのバランスは effort で取るほうがよいとしています。

2. サンプリングパラメータが 400 になる

temperature、top_p、top_k は送らないのが基本です。細かい条件は次のとおりで、分類タスクで temperature: 0 を指定していたコードはそのままでは通りません。

  • temperature を含める場合は 1 でなければならない
  • top_p を含める場合は既定値の 0.99 でなければならない(1 も 400)
  • top_k は値に関係なく 400
  • temperature と top_p を同時に含めると 400

出力のぶれを抑えたい場合は、プロンプトでの指示や structured outputs、enum を持つツール定義で形式を縛る方向に切り替えます。

3. assistant の prefill が 400 になる

messages の最後を assistant ターンにして続きを書かせる prefill は、Haiku 4.5 では思考オフなら受け付けていましたが、Haiku 5.5 では思考をオフにしても 400 です。messages はユーザーターンで終わらせ、用途に応じて置き換えます。

  • 出力形式の固定: structured outputs、または分類なら enum フィールドを持つツール
  • 前置きを省かせる: システムプロンプトで直接答えるよう指示する
  • 途中からの続き: 「前の応答は途中で切れて [previous_response] で終わっています。続きから書いてください」のようにユーザーメッセージへ移す
  • 文脈のリマインド: ユーザーターンに入れる

4. computer use の旧ツールが 400 になる

computer_20250124 は Claude API・Google Cloud・Amazon Bedrock のいずれでも 400 になります。移行先はプラットフォームで分かれ、Claude API と Google Cloud では computer_toolset_20260801 の toolset 形式、Amazon Bedrock では computer_20251124 と computer-use-2025-11-24 ベータヘッダーです。toolset 形式では、メンバーごとの tool_use ブロックを name と toolset_name で振り分け、結果に toolset_name を付けて返すようにエージェントループを直します。

5. Amazon Bedrock では structured outputs が使えない

Haiku 5.5 では、Amazon Bedrock で structured outputs(output_config.format や strict: true のツール)が使えません。Bedrock では形式をプロンプトで説明するか、strict なしのツールを使い、出力をコード側で検証します。prefill の代わりに structured outputs を使う計画なら、Bedrock だけは別の手段が必要です。

6. 過去のターンを変えると思考ブロックが無効になる

思考ブロックを送り返す場合、それより前の system、tools、過去の messages が変更されていると 400 になります。会話は追記のみ(append-only)に保つのが対策です。2026年8月31日 00:00 UTC より前に作られたアカウントでは、thinking.block_binding.prefix_mismatch_behavior を指定したリクエストだけがエラーになります。

エラーにならない変更

Breaking ではないものの、挙動やコストが変わる点も押さえておきます。

  • レスポンスが thinking ブロックで始まることがある: adaptive thinking がデフォルトでオンなので、リクエストで思考に触れていなくても先頭に thinking ブロックが来ます。content[0] を答えとして読むコードは type で選ぶように直します。
  • 思考テキストは既定で省略: thinking フィールドは空で signature だけが返ります。Haiku 4.5 は要約が返っていたので、要約が欲しい場合は thinking: {"type": "adaptive", "display": "summarized"} を指定します。
  • 思考トークンは max_tokens に含まれる: Haiku 4.5 で小さく絞っていた max_tokens だと、thinking ブロックの後、本文の前で stop_reason: "max_tokens" で止まることがあります。
  • 過去ターンの思考ブロックがコンテキストに残る: Haiku 4.5 は最新ターンの分だけでしたが、Haiku 5.5 はすべての過去ターンの思考ブロックを入力トークンとして保持します。マルチターンではトークナイザーの差以上に入力が増えるので、必要なら thinking block clearing で古いブロックを消します。
  • 思考ブロックはアカウントに紐づく: 生成したアカウント(またはリンクされたアカウント)でしか有効にならず、別アカウントから送るとエラーなしで落とされます。1つの会話ストアから複数顧客分を別アカウントで再生しているような構成が該当します。
  • 強制ツール使用は受け付けるが思考しない: tool_choice の any や特定ツール指定は通りますが、レスポンスはツール呼び出しから始まり thinking ブロックがありません。考えてから呼ばせたい場合は auto にしてプロンプトで使いどころを指示します。
  • コンテキスト残量のタグが注入されない: エージェントループに明示的な予算を与えたい場合は task budgets(ベータ)を使います。

モデルの切り替えにも癖があります。Haiku 5.5 は Sonnet 5・Opus 4.8・Haiku 4.5 以前の思考ブロックを読めますが、Opus 5・Opus 5.5・Sonnet 5.5・Fable / Mythos 系のブロックは読めず、API がエラーなしで落とします。逆方向では、Claude API と Google Cloud 上の Opus 5.5 と Sonnet 5.5 が Haiku 5.5 のブロックを読めます。上位モデルから Haiku 5.5 にフォールバックするルーターでは、切り替え後のターンに上位モデルの推論が引き継がれない前提で設計してください。

安全分類器による拒否

Haiku 5.5 は安全分類器を動かしており、拒否は stop_reason: "refusal" のレスポンスとして返ります。stop_details.category は cyber、frontier_llm、bio、general_harms の4種類で、Haiku 4.5 から移る場合はいずれも新しい挙動です。

注意したいのは、Haiku 5.5 にはサーバー側のフォールバック(ベータ)がないことです。拒否はクライアント側で処理する必要があり、同じリクエストを Haiku 5.5 に再送しても大抵は再び拒否される、と公式ガイドは書いています。正当な用途で拒否されるなら、別モデルへ振り替える処理を自前で用意することになります。

effort の使い分け

Haiku 5.5 はHaiku で初めて effort に対応したモデルで、low・medium・high・xhigh・max の5段階すべてが使えます。デフォルトは Opus 5.5 と同じ medium です。公式の推奨は次のとおりです。

effort公式の推奨用途
low最も安く速い。チャット、短いツールタスク、単純な大量リクエスト
mediumデフォルト。エージェンティックコーディングを含むほとんどの作業の出発点
highナレッジワーク、長めのエージェントタスク、厳密な指示追従
xhigh / max自前の eval で品質向上が確認できる場合のみ。Sonnet 5.5 とも比較する

いくつか実務上の注意点もあります。low では、長いエージェントプロンプトで検索や確認を飛ばしたり、早めに止まったりしやすくなります。プロンプトで「直接答えて」と書いても思考は止まらなかった、と公式ガイドは書いているので、思考を減らしたいなら effort を下げます。また xhigh のマルチターンチャットでは、答えをすべて思考の中に書いて、見える本文が空のままターンを終えることがあるため、空応答のチェックが勧められています。

effort をリクエスト間で変えるとプロンプトキャッシュが無効になりますが、Claude API と Google Cloud ではメッセージ単位の effort 変更(ベータ、mid-conversation-output-config-2026-07-01 ヘッダー)を使うとキャッシュを保ったまま変えられます。思考を disabled にしている会話では、途中で effort を変えると 400 になります。

ベンチマーク

公式発表に掲載されている比較表です。いずれも Anthropic 自身の測定で、Sonnet 5.5 は参考値として並んでいます。

ベンチマークHaiku 5.5Haiku 4.5GPT-6 LunaSonnet 5.5
GDPval-AA v2.1(Elo)162073514371840
AA-Briefcase v1.1(Elo)157861413361824
OSWorld 2.1(オフラインサブセット)72.4%15.7%48.9%83.9%
Humanity's Last Exam(ツールなし)45.9%10.2%記載なし56.9%
Humanity's Last Exam(ツールあり)57.4%18.7%記載なし64.5%
Terminal-Bench 4.039.2%0.0%16.4%70.6%
FrontierCode 1.1(Main)46.4%記載なし42.4%52.1%(xhigh)
Chartography(ツールなし)46.4%6.4%29.1%61.6%

Haiku 4.5 からの伸びは大きく、特に computer use の OSWorld 2.1 で 15.7% から 72.4% へ上がっています。公式発表は、速さ・能力・価格の組み合わせから Haiku 5.5 が computer use とブラウザ操作に特に向いているとし、Python と TypeScript の SDK に computer use と browser use のベータ対応を追加したことも告知しています。ブラウザ操作用の browser use tool(browser_toolset_20260801)は、Claude API と Google Cloud で Haiku 5.5 から使えます(Haiku 4.5 は非対応)。

一方で、Terminal-Bench 4.0 では Sonnet 5.5 の 70.6% に対して 39.2% と差が開いています。公式も「複雑なエージェンティックコーディングには Sonnet 5.5 と Opus 5.5 のほうが引き続き良い選択」であり、Haiku 5.5 はコンパクション、要約、サブエージェントのように範囲を絞ったタスクに向くと明言しています。メインのエージェントを Haiku 5.5 に置き換えるのではなく、上位モデルの下で大量の小さな仕事をさせる使い方が想定されていると読めます。

早期テストに参加した顧客の声として、Asana はタスク完了のレイテンシが30%以上短くなった、AlphaSense は文書QAの400クエリで Haiku 4.5 の 0.76 に対して 0.84 だった、Box は Haiku 4.5 より11ポイント高いスコアを約半分のレイテンシで出した、と紹介されています。いずれも各社の自己申告である点は割り引いて読んでください。

提供プラットフォームと安全性

提供状況は次のとおりです。

プラットフォームモデルID
Claude APIclaude-haiku-5-5
Amazon Bedrockanthropic.claude-haiku-5-5
Claude Platform on AWSclaude-haiku-5-5
Google Cloudclaude-haiku-5-5
Microsoft Foundryclaude-haiku-5-5

Haiku 4.5 は Legacy models に移りましたが、引き続き利用できます。claude.ai などの Claude アプリでモデルとして選べるかどうかは、今回確認した公式発表とドキュメントには明記がなく未確認です。

安全性について、公式発表は次の点を挙げています。

  • アラインメント評価のほぼすべてで Haiku 4.5 から大きく改善し、ミスアラインした振る舞いや悪用への協力が減った
  • サイバーセキュリティのセーフガードは Haiku 4.5 より厳しいが、他の最近のモデルよりはやや緩い。防御的なタスクは Sonnet 5.5 より広く許可する一方、ペネトレーションテストなど攻撃者が使いやすい手法はブロックする
  • 生物学のセーフガードは Sonnet 5・Sonnet 5.5・Opus 5 と同じ
  • より幅広い生物学・サイバー領域の作業には Life Sciences Verification Program と Cyber Verification Program に申請できる

Claude Code での扱い

Claude Code では v2.1.293(2026年10月7日)の changelog に「Claude Haiku 5.5 を追加し、Anthropic API でのデフォルトの Haiku モデルにした」と書かれています。モデル設定のドキュメントでは、haiku エイリアスの解決先がプロバイダーごとに異なります。

プロバイダーhaiku の解決先
Anthropic APIHaiku 5.5
Claude Platform on AWSHaiku 4.5
Amazon Bedrock、Google CloudHaiku 4.5
Microsoft FoundryHaiku 4.5

つまり、Anthropic API 経由で使っている場合だけ自動で Haiku 5.5 になり、それ以外のプロバイダーでは haiku と書いても Haiku 4.5 のままです。Haiku 5.5 を使うには Claude Code v2.1.293 以降が必要で、古い場合は claude update で更新します。モデル設定が haiku のセッションを再開すると、Haiku 4.5 で保存したセッションでも Haiku 5.5 で再開される点もドキュメントに書かれています。Claude Code での effort のデフォルトは、Haiku 5.5 では medium です。

API を直接叩いているプロジェクトの移行には、公式の移行ガイドが案内している Claude API スキルが使えます。Claude Code で次のように実行すると、モデルIDの差し替えや破壊的なパラメータ変更、prefill の置き換え、effort の調整をコードベースに適用し、手動確認用のチェックリストを出してくれます。編集前に対象範囲の確認を求められます。

/claude-api migrate this project to claude-haiku-5-5

API の呼び出し例

公式ドキュメントで確認できたパラメータだけを使った最小の cURL です。サンプリングパラメータは送らず、大量処理を想定して effort を low にしています。

cURL: Haiku 5.5 の最小リクエスト
curl https://api.anthropic.com/v1/messages \
  -H "x-api-key: $ANTHROPIC_API_KEY" \
  -H "anthropic-version: 2023-06-01" \
  -H "content-type: application/json" \
  -d '{
    "model": "claude-haiku-5-5",
    "max_tokens": 1024,
    "output_config": {
      "effort": "low"
    },
    "messages": [{
      "role": "user",
      "content": "Classify this support ticket as billing, bug, or other: I was charged twice this month."
    }]
  }'

Haiku 4.5 で temperature=0 と prefill を使って分類していたコードを移す場合の最小差分です。prefill をやめてユーザーターンで終わらせ、本文は type で選びます。

Python: Haiku 4.5 の分類コードを Haiku 5.5 へ移す
import anthropic
 
client = anthropic.Anthropic()
 
# Before: Haiku 4.5 では通るが Haiku 5.5 では 400
# client.messages.create(
#     model="claude-haiku-4-5",
#     max_tokens=10,
#     temperature=0,
#     messages=[
#         {"role": "user", "content": "Classify: I was charged twice."},
#         {"role": "assistant", "content": "Category:"},  # prefill
#     ],
# )
 
# After: サンプリングパラメータと prefill を外し、effort で思考量を決める
response = client.messages.create(
    model="claude-haiku-5-5",
    max_tokens=1024,  # 思考トークンも含まれるので余裕を持たせる
    output_config={"effort": "low"},
    system="Answer with exactly one word: billing, bug, or other.",
    messages=[{"role": "user", "content": "Classify: I was charged twice."}],
)
 
if response.stop_reason == "refusal":
    # Haiku 5.5 にはサーバー側フォールバックがないので、ここで別モデルへ振り替える
    print("refused:", response.stop_details)
else:
    text = "".join(b.text for b in response.content if b.type == "text")
    print(text.strip())

思考のぶん遅くなるのが気になる単純な分類なら、effort が high 以下である限り thinking={"type": "disabled"} を加える選択肢もあります。ただし公式は effort で調整するほうを勧めているので、自前の eval で両方を比べてから決めてください。

移行チェックリスト

公式移行ガイドの「Every starting model」を中心に、Haiku 4.5 から移る際の確認項目をまとめます。

  1. モデルIDを claude-haiku-4-5(または claude-haiku-4-5-20251001)から claude-haiku-5-5 へ差し替える(Bedrock は anthropic.claude-haiku-5-5、Google Cloud は claude-haiku-4-5@20251001 から claude-haiku-5-5)
  2. model を claude-haiku-5-5 にしてプロンプトのトークン数を数え直し、max_tokens とコスト見積もりを見直す(テキスト約30%増、大きな画像はさらに増える)
  3. 10万トークンを超えるプロンプトがないか確認し、超えるなら段階料金を前提にコストを試算する
  4. budget_tokens 指定を {"type": "adaptive"} に変え、effort で思考量を決める
  5. レスポンスは位置ではなく type でブロックを選び、ツールループでは thinking ブロックを無変更で送り返す
  6. temperature・top_p・top_k をリクエストから外す
  7. prefill をやめ、messages をユーザーターンで終わらせる
  8. computer use を使っているなら、Claude API と Google Cloud は computer_toolset_20260801、Bedrock は computer_20251124 に移行する
  9. Bedrock で structured outputs を使っているなら、プロンプトでの形式指定と出力検証に切り替える
  10. 会話を append-only に保ち、保存した会話は生成したアカウントで再生する
  11. stop_reason: "refusal" を処理し、サーバー側フォールバックがない前提で振り替え先を用意する
  12. Haiku 4.5 で Priority Tier を使っていたなら、Haiku 5.5 では非対応なので容量計画を見直す

Haiku 3.5 以前から移る場合は、これに加えて code_execution_20250825 以降や text_editor_20250728 への移行、model_context_window_exceeded の処理なども必要です。詳細は公式移行ガイドを参照してください。

同時に発表されたその他の変更

Haiku 5.5 の発表と同じ日に、次の変更も告知されています。

  • Sonnet 5.5 のキャッシュ読み取りが半額に: $0.20 から $0.10(基本入力の 0.05 倍)に下がり、公式はほとんどのエージェント作業で Sonnet 5.5 のコストが約20%下がるとしています。キャッシュ書き込みなど他の価格は据え置きです。Sonnet 5.5(claude-sonnet-5-5、入力 $2 / 出力 $10)自体は2026年9月28日にリリース済みです。
  • Max と Team の加入者に月額の API クレジット: Max 5x は月 $100、Max 20x は月 $200、Team はユーザー全体で最大 $500 のクレジットが、発表の週のうちに配布されるとしています。Claude Platform 上でどのモデルにも使えます。

これで 5.5 世代の Opus・Sonnet・Haiku の3つがそろいました。Opus 5.5 の破壊的変更は Claude Opus 5.5 リリース にまとめていますが、Haiku 5.5 とは中身が違う(Haiku 5.5 は思考を無効化でき、強制ツール使用も受け付ける一方、サンプリングパラメータと prefill が拒否される)ので、モデルごとに確認が必要です。

まとめ

  • Claude Haiku 5.5(2026年10月7日)は、モデルID claude-haiku-5-5 の Haiku ティアの新モデルで、公式の比較では現行ラインアップで最速
  • 価格は10万トークン以下のプロンプトで入力 $0.10 / 出力 $0.50 とHaiku 4.5 の10分の1。10万トークン超は $0.50 / $2.50 の段階料金で、閾値はキャッシュ分も含めて判定される
  • コンテキストは 1M トークン、最大出力 128k、ナレッジカットオフは2026年6月。トークナイザー変更で同じテキストが約30%多く数えられる
  • Haiku で初めて effort に対応し、デフォルトは medium
  • 破壊的変更は、budget_tokens、サンプリングパラメータ、prefill、旧 computer use ツールの拒否、Bedrock での structured outputs 非対応、過去ターン変更時の思考ブロック無効化
  • 安全分類器による拒否が新たに入り、サーバー側フォールバックはない
  • 公式ベンチでは Haiku 4.5 から大きく伸びた一方、複雑なエージェンティックコーディングは Sonnet 5.5 / Opus 5.5 のほうが向くと公式自身が書いている
  • Claude Code では v2.1.293 から Anthropic API での haiku が Haiku 5.5 を指す。他のプロバイダーでは Haiku 4.5 のまま

単価が大きく下がったので、分類やルーティング、要約、サブエージェントを Haiku 4.5 で回している人には移行の動機が十分あるモデルです。ただ、temperature: 0 と prefill で出力を固めていた古典的な分類コードは、そのままでは1件も通りません。まずはトークン数とコストを数え直し、上のチェックリストを順に潰していくのが安全です。上位モデルに Haiku 5.5 をサブエージェントとしてつなぐ構成を考えているなら、advisor tool の記事 も併せてどうぞ。OpenAI 側の価格帯の動きは GPT-6.1 Sol リリース で扱っています。

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