
Grok Bot 入門 - 自分専用のクラウドPCで働く「AIチームメイト」の仕組み・料金・安全な使い方
当サイトは Amazon.co.jp を宣伝しリンクすることで紹介料を得る手段を提供する、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。価格・在庫はリンク先の最新情報をご確認ください。
Grok Bot は、SpaceXSI(旧xAI)が2026年8月11日にベータ版として公開した常駐型のAIエージェントです。チャットで質問に答える AI ではなく、名前と記憶を持った「Bot」にクラウド上のパソコンを持たせ、メールや CRM、Slack、ブラウザの中で仕事を最後まで進めさせる、という作りになっています。
この記事では、x.ai の発表記事と変更履歴、Cursor と x.ai の公式ドキュメントを一次情報に、Grok Bot の仕組み・できること・料金・安全のしくみを整理します。2026年10月27日時点の情報です。
まず結論
- Grok Bot は「自分のパソコンを持つAIの同僚」という位置づけのエージェント。Bot はクラウド上のパソコン(ブラウザ・ファイル・ターミナル)で作業し、ノートPCを閉じても動き続ける
- 1つのアカウントで複数の Bot を作り、役割ごとに分けて並行して働かせる。Bot 同士でメッセージをやり取りし、グループチャットで仕事を受け渡すこともできる
- 使えるのは The X Subscription の Premium(月30ドル)以上と、従来の Cursor 有料プラン・SuperGrok などのひも付け。Plus(月8ドル)と Free には含まれない
- 中身のモデルは選べない。xAI のモデルだけでなく、他社のモデルが使われることもあると公式ドキュメントに書かれている
- 危ない操作の前には Auto-review(別のモデルによる事前チェック)と承認カードが入る。ただし公式自身が「完全な制御ではない」と書いており、権限の線引きは使う側が決める必要がある
- 名前が似た「GrokBot」というクローラーの話とは別物。Grok Bot はユーザーの代わりにサイトを操作するエージェントで、クローラーではない
Grok Bot とは
公式の紹介文は「常に動き続けるエージェントのチーム」です。発表記事では、Bot について次のように説明しています(Introducing Grok Bot)。
- Bot は自分のパソコンをクラウドに持ち、ユーザーが普段使っているツールにサインインして、アプリやメールをまたいで仕事をする
- 仕事は最後まで進め、承認が必要なときだけ戻ってくる
- 同僚にメッセージを送るように仕事を頼めて、会話を覚え、やり方を学んでいく
もともとは社内のプロトタイプで、営業のアウトバウンド、マーケティング、総務、バグ修正などに社内で広まってから一般公開された、と書かれています。
Cursor とのつながり
Grok Bot は x.ai の製品ページから案内されていますが、アプリの配布とサインイン、クラウドPCの運用は Cursor の仕組みの上で動いています。デスクトップアプリは Cursor の配布サーバーから落とし、サインインには Cursor アカウントを使い、Bot が作業するパソコンは「Cursor がホストするクラウドのパソコン」だけで動く、と Cursor のドキュメントに書かれています(Grok Bot security)。
これは、SpaceX が2026年6月に Cursor を開発する Anysphere の買収で合意したことと関係しています(CNBC)。x.ai の記事でも「SpaceXSI と Cursor のサポート部門を Grok Bot 中心に作り直した」と書かれており、両社の製品はすでに一体で運用されています(How SpaceXSI is using Grok Bot to scale customer support)。
NOTE
補足: 社名の表記について。2026年10月上旬にイーロン・マスク氏が「SpaceXAI」を「SpaceXSI」(SI は Super Intelligence)に改めると X で表明したと報じられ(Euronews)、x.ai のページの表記も SpaceXSI に変わっています。一方、ページ下部の著作権表記は「SpaceXAI LLC」のままです。この記事ではページの表記に合わせて SpaceXSI と書きます。
「GrokBot」というクローラーとは別物
「Grok Bot」で検索すると、「GrokBot」という名前の Web クローラー(ユーザーエージェント)を解説するページも多く出てきます。こちらは AI クローラーの一覧サイトなどが載せている名前で、今回確認した x.ai と Cursor の公式ドキュメントには、GrokBot という名前のクローラーの説明は見当たりませんでした。
この記事で扱う Grok Bot は、ユーザーの指示でサイトを開いて操作するエージェントです。サイト運営者から見た扱いは、後半の「Webサイト運営者から見た Grok Bot」で触れます。
リリースからの流れ
公開から2か月半で、対応プランや機能が細かく増えています。主な出来事を日付順に並べます。
| 日付(2026年) | 出来事 |
|---|---|
| 8月11日 | ベータ版を公開。SuperGrok 各プランと Cursor Pro 以上・Cursor Teams の加入者向けで、デスクトップと iOS に対応(発表) |
| 8月19日 | アプリの表示言語に日本語などを追加(変更履歴 v0.21.0) |
| 8月26日 | SuperGrok、Cursor Pro、Cursor Teams のすべてのプランに含まれるよう拡大(発表) |
| 8月29日 | X との連携を強化。X アカウントをつなぐと、投稿の検索やタイムラインの読み込みを頼めるように(発表) |
| 9月3日 | 企業向けの提供を開始。アクセス・ネットワーク・監査の管理機能を追加(発表) |
| 9月28日 | チームで1つの Bot を共有する Team Bots を公開(発表) |
| 10月11日 | Bot が自分のメールアドレスを持てるように(変更履歴 v0.70.2) |
| 10月12日 | Grok・Grok Bot・Cursor・X Premium をまとめた The X Subscription を開始(発表) |
| 10月22日 | 一緒に編集できるページ(Pages)や動画の生成に対応(変更履歴 v0.75.2) |
| 10月23日 | ログイン情報やカードを保存して使う Vault を追加(変更履歴 v0.75.5) |
| 10月24日 | 最新版 v0.75.8。Auto-review のルールを Bot がカードで提案できるように |
変更履歴は Grok Bot Changelog にまとまっています。ほぼ毎日のように更新されていて、細かい挙動は今後も変わりやすい点に注意してください。
仕組み: 5つの基本要素と共有のパソコン
Bot・チャット・プロンプト・ツール・成果物
設計チームの記事では、AI 製品にはチャット、セッション、メモリー、スキル、コネクタ、サンドボックスなど多くの概念があるが、利用者が知る必要があるのは次の5つだけだ、と整理しています(Designing Grok Bot for a world of persistent agents)。
| 要素 | 中身 |
|---|---|
| Bot | 名前・記憶・実行環境・ツールを持つ、ずっと残るエージェント |
| チャット | Bot とやり取りする画面 |
| プロンプト | Bot への指示。1回だけ使うことも、スキルとして保存することも、ルーティンとして自動で動かすこともできる |
| ツール | ソフトや API、連携アプリ、シェル、パソコン操作で情報を取ったり作業したりする手段 |
| 成果物 | Bot が作ったり直したりした文書・デザイン・コード・データ |
一般的な AI チャットは会話の履歴が画面の中心ですが、Grok Bot はBot の一覧が中心です。翌日に開いても同じ Bot が待っていて、前の仕事を覚えています。上限は1アカウントあたりおよそ50体、グループチャットは1つにつき6体までとされています。
すべての Bot が1台のクラウドPCを共有する
Bot が作業するのは、Cursor のクラウド上にあるパソコンです。ブラウザ、ファイル、ターミナルがあり、ノートPCやスマホのアプリを閉じても作業や定期実行は止まりません。
ここで大事なのは、このパソコンは Bot ごとではなく、アカウントに1台だという点です。公式ドキュメントには次のように書かれています(Grok Bot)。
- 自分の Bot はすべて同じクラウドPCを使い、ファイル、ブラウザのセッション、アプリのログインを共有する
- そのため、パソコンに置いたものは自分のどの Bot からも使えるものとして扱う
- 利用者どうしの分離は厳密に行う(分離はユーザー単位で、Bot 単位ではない)
仕事の受け渡しが楽になる反面、「経理の Bot だけに銀行のログインを持たせる」といった分け方はパソコンの中ではできない、ということです。一方で、会話と学んだ内容(記憶)は Bot ごとに分かれていて、ツールとスキルはアカウント全体で共有されます。
パソコンの見え方は3段階
Bot のパソコンをどこまで画面に出すかについて、設計チームは「パソコンを目立たせるほど、利用者は監視したくなる」と考え、次の3段階にしたと説明しています。
- 状態: パソコンが動いている間は、タイトルバーのアイコンが紫になる
- プレビュー: 開くと横にパネルが出て、会話を離れずに作業を見られる
- 操作の引き継ぎ: Bot が助けを求めたときに全画面で開き、自分で操作してから Bot に返す
パスワードや2段階認証のコード、CAPTCHA、支払いの確定のような場面では、Bot がパソコンを利用者に渡し、本人が入力する流れになっています。
できること
連携アプリとパソコン操作
Slack、Gmail、Outlook、Google カレンダー、GitHub、Notion、Salesforce などは連携アプリ(コネクタ)でつなぎ、連携がないサイトはブラウザを操作して進めます。発表記事でも「きれいな API や MCP がないサービスでも使える」ことを強みに挙げています。
公式が挙げている使い方の例には、次のようなものがあります(Grok Bot is now included with more plans)。
- 営業: 見込み客を調べて連絡先を補い、本人の文体でメールの下書きを作る。送信は利用者の承認待ちにする
- Web サイト制作: サイトを作り、ドメインを買い、公開してURLを返す
- 受信箱の整理: メールを片付け、人が返事をすべきものだけ残す
- カスタマーサポート: 問い合わせを読み、決済サービスとつないで、方針の範囲内で返金を処理する
スキルとルーティン
一度うまくいった手順はスキル(作業手順の保存)にし、決まった時刻やイベントで動かしたい仕事はルーティンにします。ルーティンのきっかけには、毎朝8時のような日時のほか、Issue の作成、PR のマージ、Slack の新着、Webhook への POST などが選べます。
「次にこの作業をするときに横で見ていて」と頼むと、Bot が手順を覚えてルーティンとして保存する、という覚えさせ方もできます。ただし、この「見て覚える」機能と、ルーティンのテストはデスクトップ版だけです。
Bot 専用のメールアドレス
10月11日の更新で、yourname@mail.grokbot.com のような Bot 用のメールアドレスを1つ持てるようになりました(Give your Bot an email address)。サービスへの登録、領収書やニュースレターの受け取りと要約、届いたメールをきっかけにしたルーティンなどに使えます。
- アドレスは1人1つで、あとから変更も削除もできない。一度使われた名前は二度と再発行されない
- 誰からでもメールを受け取れる。ウイルスやスパムの検査に落ちたものは本文と添付を除いて保存され、ルーティンを起動しない
- チャットで自分が頼んだメールは Auto-review を通れば送られる。ルーティンなど自分が頼んでいない流れで作ったメールは、下書きのまま「送信」を押すまで止まる
- 受け取ったメールの中に書かれた指示は、送信の許可として扱わない
X との連携と @bot
X とは3つの形でつながります。
- X 連携: Bot に投稿の検索やタイムライン、メンションの確認を頼める
- X Chat: X のアプリや x.com の X Chat から、自分の Bot と会話できる。順次公開中で、まだ出ていないアカウントもある(Grok Bot in X Chat)
- @bot: X の投稿や返信で
@botをメンションすると、その投稿を自分の Bot に仕事として渡せる。@bot は X 上に「受け付けた」と返すだけで、作業と結果は Grok Bot のアプリ側に残る(Tag @bot on X)
@bot は、オーストラリア、イギリス、EU、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーに登録されたアカウントではまだ使えません。判定には X に登録された国が使われ、今いる場所や VPN は関係ありません。日本は除外の一覧に入っていません。
Team Bots
9月28日に公開された Team Bots は、チームで1つの Bot を共有する機能です。資料やスキル、連携アプリ、認証情報を持たせた Bot をチームに共有し、Slack のチャンネルにも招待できます。共有されていても、各メンバーと Bot との会話は本人にしか見えず、記憶もメンバーごとに分けて持ちます。Teams と Enterprise のプランでパブリックベータとして提供されています(Team Bots)。
料金と使えるプラン
Grok Bot 単体の契約はなく、プランに含まれる形です。10月12日に始まった The X Subscription では次のとおりです(Pricing、Plans and billing)。
| プラン | 月額(税別) | Grok Bot | 利用量の目安 |
|---|---|---|---|
| Free | 0ドル | 含まれない | 少量 |
| Plus | 8ドル | 含まれない | 基本 |
| Premium | 30ドル | 含まれる | Plus の4倍 |
| Super | 100ドル | 含まれる | Plus の15倍 |
| Ultra | 200ドル | 含まれる | Plus の50倍 |
| Teams | 1人30ドルから | 有料の席すべてに含まれる | 席の種類による |
| Enterprise | 個別見積もり | 営業担当に相談 | 管理者が設定 |
利用量は Grok のアプリ、X の Grok タブ、Cursor と共通の枠から引かれ、週ごとにリセットされます。使い切ったあとは、前払いのクレジットから追加で払う仕組みです。
従来の Cursor Pro・Pro+・Ultra・Teams の加入者や、SuperGrok・SuperGrok Plus・SuperGrok Heavy・X Premium+ をひも付けた人も引き続き使えます。ただし、Cursor のプランと SuperGrok のひも付けを両方持っていても利用量は足し算されず、多いほうが使われます。SuperGrok Lite には含まれません。
試用は日数ではなく「利用量のクレジット」で、7日間の期限もあります。大きな作業を1回走らせるだけで使い切ることがあり、使った分は戻らないと書かれているので、最初は小さく区切った作業で試すのが無難です。
中身のモデルは選べない
Grok Bot には、モデルを選ぶ画面がありません。公式のヘルプでは次のように説明されています(Which AI models power Grok Bot?)。
- 作業ごとに、最も良い結果が出そうなモデルが選ばれる。xAI のモデルのこともあれば、委託先の一覧に載っている他社のモデルのこともある
- どのモデルが使われたかは表示されず、利用量も「Grok Bot の利用」としてまとめて記録される
- 利用者やリクエストごとに、特定のモデルを選んだり外したりはできない
- チームで設定した Cursor のモデルの許可・禁止リストは、Grok Bot には効かない
同じヘルプには「Opus 5.5 に回されても1トークンあたりの料金は変わらない」という項目もあり、Anthropic のモデルが使われる場合があることが読み取れます。社内の規程で使えるモデルを絞っている組織は、ここを先に確認しておく必要があります。
安全のしくみ
Auto-review と承認カード
Bot がコマンドを実行する、連携アプリを使う、パソコンを操作する、といった動作の前には Auto-review が入ります(Approvals and Auto-review)。Auto-review は初期状態で有効で、多くの動作はそのまま進み、確認が必要と判断したものだけチャットに承認カードが出ます。
- 承認カードのボタンは「今回だけ許可」「常に許可」「拒否」の3つ。「常に許可」を押すと、似た動作を自動で通すルールが保存される
- 自分でルールを書くこともでき、「外部へのメールは必ず先に確認」のような先に確認のルールと、自動で許可のルールを、それぞれ20件まで登録できる。両方に当てはまるときは「先に確認」が優先される
- メールや Web ページに書かれた文は、利用者の依頼として扱わない
- 取り消せない操作や、サインイン・セキュリティ設定の変更、データを外に出す操作には、カードに警告が付く
ただし、公式のセキュリティのページは、Auto-review を「危ない動作を実行前に評価する、独立した審査用のモデル」と説明したうえで、すべての副作用を見ているわけではない(記憶の書き込みや多くの設定変更は対象外)と明記しています。x.ai のドキュメントも「モデルによる判定なので、最小限の権限と明示的な承認の線引きを置き換えるものではない」と書いています(Approvals, security, and privacy)。
認証情報の扱い
- パスワードやカード番号は、Vault(保存庫)やパスワード管理ツール、Secure Form(専用の入力フォーム)から参照の形で入力され、モデルには渡らない
- 連携アプリのトークンはパソコン上に保存されず、Bot はトークンを受け取らずにツールを呼び出す
- Bot はサインインした本人として動くので、本人より強い権限は持てない(例外として、チームで管理する連携アプリはチームやサービスアカウントの認証情報を使うことがある)
- Vault に保存したカードは、支払いのたびに承認を求めずに使われる。支払いを毎回確認したいなら、カードを保存しないこと、と公式に書かれている
データと学習
Privacy Mode を有効にしていれば、顧客のデータは学習に使われません。Grok Bot はクラウドにデータを保存する必要があるため、古い「Privacy Mode (Legacy)」のアカウントは、使い始める前に新しい Privacy Mode へ切り替えるよう求められます。Bot を削除すると、その会話・記憶・ルーティン・添付は完全に消えます。
企業向けには、アクセス先の許可リスト、監査ログ、操作の記録(初期状態はオフで90日保存)、OpenTelemetry への送信、モデルへの各リクエストを自社のサーバーで許可・拒否できる仕組み(ベータ)などが用意されています。
使う前に決めておくこと
ここからは公式の説明を踏まえた筆者の考えです。Grok Bot は「同僚に任せる」感覚で使えるように作られていますが、その分、任せる範囲を最初に決めておかないと、気づかないうちに権限が広がります。
- Bot ごとに役割を1つに絞る。公式も「何でも屋の Bot より、仕事を絞った Bot のほうが役に立つ文脈が溜まる」と勧めている
- ただし、パソコンとログインは全 Bot で共通。業務用と私用のアカウントを1つのクラウドPCに混ぜない
- 「先に確認」のルールを最初に書く。外部へのメール、公開・投稿、支払い、削除、権限の変更、本番環境の変更は、目安として全部ここに入れておく
- 「常に許可」は気軽に押さない。押すたびに自動で通る範囲が広がる。広すぎるルール(「ブラウザでの操作はすべて許可」など)は公式も避けるよう書いている
- 支払いを毎回確認したいなら、Vault にカードを保存しない
- 承認は「これから行う操作」を止めるもので、すでに終わった作業を元に戻すものではない、と覚えておく
- モデルを選べないので、扱うデータが社内の規程に合うかを先に確認する
メールや Web ページに仕込まれた指示に AI が従ってしまう「プロンプトインジェクション」は、ブラウザやメールを扱うエージェント共通の課題です。Grok Bot も「メール内の指示は許可として扱わない」と対策を書いていますが、最後の防御は権限を絞ることです。背景はプロンプトインジェクションがRCEになる日で詳しく扱っています。
Webサイト運営者から見た Grok Bot
自分のサイトに Grok Bot が来る場合、それはクローラーではなく、誰かの指示でクラウドPCのブラウザがサイトを開いている状態です。公式ドキュメントからわかるのは次の点です(Grok Bot security)。
- クラウドPCは、Grok Bot の利用者全体で共有する固定の送信元 IP からインターネットにつながる。顧客ごとの専用 IP はない
- その IP の範囲は公開されておらず、Cursor の営業担当から入手する形
- 利用者が設定すれば、自分のパソコン経由で通信させて、そのパソコンの IP を使うこともできる
- サイトが自動操作を拒んだり、人の操作を求めたりした場合、Bot はそれを回避せず利用者に引き継ぐ
どんなユーザーエージェントを名乗るのか、robots.txt を見るのかは、今回確認した公式ドキュメントには書かれておらず未確認です。データセンターの IP を警戒するサービスでは引っかかることがある、とも公式の FAQ に書かれています。
はじめ方
- The X Subscription の Premium 以上か、対象の Cursor・SuperGrok のプランを用意する
- x.ai/bot か Cursor のダッシュボードからデスクトップアプリを入れる。macOS(Apple シリコン・Intel)、Windows(x64・Arm64)、Linux(x64・Arm64)に対応。スマホは iPhone(iOS 18 以降)と Android(Android 9 以降)
- Cursor アカウントでサインインする。会社の SSO もそのまま使える
- 最初の Bot(名前は「Grok Bot」)が作られるので、仕事を1つに絞って最初のメッセージで役割を伝える
- 設定の「Auto-review」で、先に確認するルールを書いておく
表示言語は設定から日本語を選べます。公式の「最初の仕事」の例は、文書を添付して「5つの箇条書きで要約し、日付・決定事項・未決事項を別にまとめ、元のファイルは変えないこと」と頼むものです。何をして、どこで止まるかまで書くのがコツとされています。
まとめ
- Grok Bot は、名前と記憶を持つ Bot にクラウドPCを持たせ、実際のツールの中で仕事を終わらせる常駐型のエージェント
- Bot は役割ごとに分けて並行で動かせるが、パソコンとログインはアカウントで共通
- The X Subscription では Premium(月30ドル)以上に含まれ、Plus と Free には含まれない
- 中身のモデルは選べず、他社のモデルが使われることもある
- Auto-review と承認カードはあるが、公式も完全な制御ではないとしている。任せる範囲と「先に確認」のルールを最初に決めてから使う
AI エージェントは「質問に答える道具」から「仕事を任せる相手」に移りつつあります。Grok Bot はその方向をいちばん強く押し出している製品の1つなので、同じ常駐型の OpenAI dots や、オープンソースの OpenClaw・Hermes Agent と比べてみると、権限の設計の違いが見えてきます。Grok のモデル自体については Grok 4.5 リリース の記事も参考にしてください。
参考資料
- Introducing Grok Bot(x.ai、2026-08-11)
- Grok Bot is now included with more plans(x.ai、2026-08-26)
- Grok Bot now works with X(x.ai、2026-08-29)
- Designing Grok Bot for a world of persistent agents(x.ai、2026-09-03)
- Grok Bot for Enterprise(x.ai、2026-09-03)
- Team Bots: shared AI teammates that learn as they work(x.ai、2026-09-28)
- Introducing The X Subscription(x.ai、2026-10-12)
- Using Grok Bot to detect and respond to incidents(x.ai、2026-10-20)
- Grok Bot Changelog(x.ai)
- Grok Bot / Pricing(x.ai)
- Grok Bot ドキュメント / Get started / Security(Cursor)
- Plans and billing / Which AI models power Grok Bot? / Approvals and Auto-review / Give your Bot an email address / Grok Bot in X Chat(Cursor ヘルプ)
- Tag @bot on X / Approvals, security, and privacy(x.ai ドキュメント)
- SpaceX to acquire the AI coding startup Cursor for $60 billion(CNBC、2026-06-16)
- Musk to follow Trump and rebrand SpaceXAI as SpaceXSI(Euronews、2026-10-05)


