
Cursor バージョンヒストリー完全ガイド - v0.1からv2.4までの進化の軌跡
Cursorは2023年3月に最初のバージョンをリリースして以来、AIを活用したコードエディタとして急速に進化を遂げてきました。本記事では、v0.1からv2.4までの全バージョンの機能と変更点を詳細にまとめます。
Cursorとは
Cursorは、VS Codeのフォークをベースに構築されたAIコードエディタです。AIとのペアプログラミングを中心に設計されており、コード補完、チャット、エージェント機能など、開発者の生産性を大幅に向上させる機能を提供しています。
公式サイト: https://cursor.com/
現在の最新バージョン: 2.4.21(2026年1月28日現在)
2026年のリリース
v2.4(2026年1月22日)- Subagents, Skills, and Image Generation
最新のメジャーリリースでは、複雑なタスクを効率的に処理するための新機能が追加されました。
Subagents(サブエージェント)
親Agentのタスクを分割して処理する独立した子Agentです。
- 並列実行で全体の実行速度が向上
- 各サブエージェントが独自のコンテキストを使用
- カスタムプロンプト、ツールアクセス、モデルを個別に設定可能
- デフォルトでコードベースリサーチ、ターミナルコマンド実行、並列作業ストリーム用のサブエージェントを搭載
Skills(スキル)
SKILL.mdファイルでドメイン固有の知識とワークフローを定義できます。
# データベース移行スキル
## 手順
1. バックアップを作成
2. マイグレーションファイルを生成
3. テスト環境で実行
4. 本番環境に適用常時有効なrulesと比較して、動的なコンテキスト検出や手順ベースの「How-To」ガイドに適しています。
Image Generation(画像生成)
テキストまたは参照画像から、Google Nano Banana Proモデルで画像を生成できます。
- インラインプレビューで確認
assets/フォルダに自動保存- UIモックアップやアーキテクチャ図の作成に便利
Cursor Blame(Enterprise)
従来のgit blameをAI帰属情報で拡張。AI生成コードと人間作成コードを区別し、各行が生成された会話の要約にリンクします。
Agent確認質問
すべての会話でAgentが確認質問を行えるようになりました。応答待ち中もファイル読み取り・編集・コマンド実行を継続できます。
CLI更新(2026年1月16日)- CLI Agent Modes and Cloud Handoff
CLIにエディタの人気機能が多数導入されました。
| 機能 | コマンド | 説明 |
|---|---|---|
| Plan Mode | /plan または --mode=plan | コーディング前のアプローチ設計 |
| Ask Mode | /ask または --mode=ask | 変更なしのコード閲覧・質問 |
| Cloud Handoff | メッセージ先頭に & | Cloud Agentに送信して離席中も処理継続 |
CLI更新(2026年1月8日)- New CLI Features
agent modelsコマンドでモデル一覧/選択/rulesコマンドでルール生成・管理/mcp enable//mcp disableでMCPサーバー切り替え
2025年のリリース
v2.3(2025年12月22日)- Layout Customization and Stability
ホリデーリリースとして、安定性改善に集中したバージョンです。
4つのデフォルトレイアウトが追加されました。
| レイアウト | 用途 |
|---|---|
| agent | Agent中心の作業 |
| editor | 従来のエディタ中心 |
| zen | 集中モード |
| browser | ブラウザ連携作業 |
レイアウト切り替えはCmd + Option + Tabで行えます。
v2.2(2025年12月10日)- Debug Mode, Multi-Agent Judging
Debug Mode
ランタイムログ計装でバグの再現・根本原因を特定する機能です。スタック、言語、モデルを横断して動作します。
Browser Layout/Style Editor
新しいブラウザサイドバーとコンポーネントツリーで、リアルタイムCSS編集が可能になりました。
Multi-Agent Judging
並列Agent実行後に自動評価を行い、最適なソリューションを推奨します。
v2.1(2025年11月21日)- AI Code Review, Instant Grep
- Improved Plan Mode: 明確化質問に対するインタラクティブUI
- AI Code Reviews: エディタ内で直接バグ検出・修正
- Instant Grep(Beta): Agentのgrepコマンドが即時実行
v2.0(2025年10月29日)- New Coding Model and Agent Interface
Cursor 2.0は大きな転換点となったメジャーリリースです。
Multi-Agents
最大8エージェントを並列実行可能に。git worktreeまたはリモートマシンでファイル競合を回避します。
Composer
独自のエージェント向けコーディングモデルが導入されました。同等知性モデルの4倍高速です。
その他の主要機能
- Browser(GA): エディタ内埋め込み対応
- Sandboxed Terminals(GA): macOSでセキュアサンドボックス実行
- Voice Mode: 音声でAgent制御
- Team Commands: ダッシュボードでチーム用カスタムコマンド定義
v1.7(2025年9月29日)- Browser Controls, Plan Mode, Hooks
- Browser Controls: スクリーンショット取得、UI改善、デバッグ
- Plan Mode: 複雑タスク前に詳細計画作成
- Hooks(Beta): カスタムスクリプトでAgentループの監視・制御
- Team Rules: ダッシュボードからグローバルルール定義
v1.6(2025年9月12日)- Slash commands, MCP Resources
/summarize # オンデマンド要約でコンテキストウィンドウ解放
/lint # リンター実行(カスタムコマンド)
/pr # PR作成(カスタムコマンド)カスタムスラッシュコマンドは.cursor/commands/[command].mdに保存されます。
v1.5(2025年8月21日)- Linear integration, OS notifications
- LinearからBackground Agent直接起動
- Agent完了・入力要求時にネイティブOS通知
- MCP Elicitationサポート
v1.4(2025年8月6日)- Improved Agent tools
| ツール | 改善点 |
|---|---|
| Read file | 2MB上限撤廃、フルファイル読み取り |
| List | ディレクトリツリー全体を1回で探索 |
| Grep | マッチング精度向上 |
| Codebase Search | ランキングとインデックス改善 |
| Web Search | 軽量モデルで関連性の高い結果 |
v1.3(2025年7月29日)- Shared terminal with Agent
- Agentがネイティブターミナルを使用可能
- 会話終了時にコンテキストウィンドウ使用量表示
- Search & Replace編集25%高速化
v1.2(2025年7月3日)- Agent Planning, Faster Tab
- Agent To-dos: 構造化To-Doリストで長期タスク管理
- Memories(GA): 会話からの記憶保存・参照が正式版に
- PR Indexing & Search: PRのインデックス化とセマンティック検索
- Faster Tab: 補完約100ms高速化、TTFT 30%短縮
v1.1(2025年6月12日)- Background Agents in Slack
Slackで@CursorメンションしてBackground Agentを起動できるようになりました。スレッド読み取り、GitHub PR作成まで自動化可能です。
v1.0(2025年6月4日)- Bugbot, Background Agent for everyone
Cursor 1.0は重要なマイルストーンとなりました。
| 機能 | 説明 |
|---|---|
| Bugbot | 自動PRレビュー、GitHub上でバグ検出 |
| Background Agent | リモートAgent実行が全ユーザーに開放 |
| Jupyter Notebook対応 | Agentがセル作成・編集 |
| Memories(Beta) | プロジェクトごとの会話記憶保存 |
| MCP One-Click Install | ワンクリックMCPセットアップ |
v0.50(2025年5月15日)- Simplified Pricing, Background Agent Preview
- 統一リクエストベース価格モデル導入
- Max Modeで全トップモデル対応
- Background Agent(Preview)でリモート並列実行
v0.49(2025年4月15日)- Rules generation, MCP images
/Generate Cursor Rulesで会話からルール自動生成- MCPでの画像コンテキスト対応
- 新モデル追加: Gemini 2.5 Pro/Flash、Grok 3/3 Mini、GPT-4.1、o3、o4-mini
v0.48.x(2025年3月23日)- Chat tabs, Custom modes
- Chat Tabs:
Cmd+Tで新タブ作成、複数会話並行管理 - Custom Modes(Beta): カスタムモード作成可能
- Faster Indexing: 大規模リポジトリで20分から1分以下に
v0.47.x(2025年3月11日)- Reliability improvements
- メモリ使用量とパフォーマンス改善
- 新テーマ: Cursor Dark、Cursor Midnight、Cursor Dark (High Contrast)
- グローバルMCP設定(
~/.cursor/mcp.json) - Sonnet 3.7 thinking対応(2リクエスト消費)
v0.46.x(2025年2月19日)- Agent is ready and UI refresh
Chat、Composer、AgentがAgentに統合された重要なリリースです。
- Agent as Default: 統合されたAgentがデフォルトモードに
- UI Refresh: 新テーマ、@コンテキストメニュー簡素化
- Web Search: Agentが自動でWeb検索
.cursorignoreと.cursorindexingignore対応
v0.45.x(2025年1月23日)- .cursor/rules, DeepSeek models
.cursor/rules: リポジトリレベルのルールディレクトリ- DeepSeek R1 & DeepSeek v3モデルサポート
- Agentが最近の変更を認識
- MCPサポート追加
2024年のリリース
v0.44.x(2024年12月17日)- Agent Improvements, Yolo Mode
- Yolo Mode: ターミナルコマンド自動実行
- Agentがリンターエラーを読み取り自動修正
- Cursor Tabの大規模編集対応
v0.43.x(2024年11月24日)- New Composer UI, Agent
Composerがサイドバーに移動し、インラインDiff表示に対応。初期Agent機能が導入されました。
- 初期Agent: コンテキスト自動選択、ターミナル使用
- Git Commit Message自動生成
- Bug Finder(Beta)
v0.42.x(2024年10月9日)- Composer History, @Lint Errors
- Composer履歴の永続化
- @Lint Errorsサポート復活
- VS Code 1.93.1ベース
v0.40.x(2024年8月22日)- New Chat UX, Default-On Composer
- 新しいChat UX
- ComposerがPro/Businessユーザーにデフォルト有効
- 新しいCursor Tabモデル(スマート、コンテキスト認識)
v0.38.x(2024年7月23日)- Claude 3.5 Sonnet default
- Claude 3.5 Sonnetがデフォルトモデルに
- Copilot++ Chunked Streaming(Beta)
- VS Code 1.91.1ベース
v0.37.x(2024年7月13日)- Composer (beta)
Composerの登場はCursorの大きな転換点でした。マルチファイル編集機能が実験的に導入されました。
Cmd+I(Mac)/ Ctrl+I(Windows)でComposerを起動
v0.36.x(2024年7月3日)- Instant Applies, Docs Management
- チャットコードブロックの即時適用
- ドキュメント管理・再インデックス機能
v0.35.x(2024年6月8日)- Cursor Prediction default, Remote Tunnels
- Cursor Predictionがデフォルト有効
- Remote Tunnelサポート
- GPT-4oがデフォルトモデル(0.35.1)
v0.34.x(2024年5月26日)- Gemini 1.5 Flash, GPT-4o
- Gemini 1.5 Flash(長コンテキストモード)
- GPT-4oサポート
- Copilot++の部分補完機能
v0.32.x(2024年4月12日)- .cursorrules
- **
.cursorrules**ファイルでリポジトリレベルのAIルール設定 - GPT-4 Turbo(gpt-4-turbo-2024-04-09)サポート
- Cursor Help Pane(Beta)
2023年のリリース(初期版)
v0.2.0(2023年4月6日)- アーキテクチャ変更
CodemirrorベースからVS Codeフォーク(VSCodium)に移行。この変更により、VS Codeの成熟したテキスト編集機能を活用しながら、AI機能の開発に集中できるようになりました。
v0.1.x(2023年3月)- 初期リリース
| バージョン | 発表日 | 主な機能 |
|---|---|---|
| v0.1.2-0.1.3 | 3月18日 | 初期リリース、基本AIチャット |
| v0.1.5 | 3月23日 | AIチャット履歴保存 |
| v0.1.7 | 3月25日 | ファジーファイル検索 |
| v0.1.9 | 3月27日 | ターミナル機能、有料プラン導入 |
主要モデル対応履歴
Cursorは様々なAIモデルをサポートしてきました。
| 時期 | モデル | 備考 |
|---|---|---|
| 2024年4月 | GPT-4 Turbo | |
| 2024年5月 | GPT-4o | デフォルト化 |
| 2024年5月 | Gemini 1.5 Flash | 長コンテキストモード |
| 2024年7月 | Claude 3.5 Sonnet | デフォルト化 |
| 2025年1月 | DeepSeek R1, v3 | |
| 2025年3月 | Sonnet 3.7 | Thinking対応 |
| 2025年4月 | Gemini 2.5 Pro/Flash | |
| 2025年4月 | Grok 3/3 Mini | |
| 2025年4月 | GPT-4.1, o3, o4-mini | |
| 2025年10月 | Composer | 独自モデル |
| 2026年1月 | Google Nano Banana Pro | 画像生成 |
機能の進化まとめ
コード補完の進化
Copilot++ → Cursor Tab → Fusion Tab Model
- 2024年: Copilot++でAI補完
- 2024年8月: Cursor Tabにリネーム、スマート化
- 2025年1月: Fusion Tab Model(ジャンプ、長コンテキスト対応)
- 2025年5月: マルチファイル変更提案
Agent機能の進化
Chat → Composer → Agent → Subagents
- 2023年: 基本的なAIチャット
- 2024年7月: Composer(マルチファイル編集)
- 2024年11月: 初期Agent(コンテキスト自動選択)
- 2025年2月: Agent統合(Chat/Composer/Agentが一体化)
- 2025年6月: Background Agent(リモート実行)
- 2026年1月: Subagents(並列処理)
ルール・設定の進化
.cursorrules → .cursor/rules → SKILL.md
- 2024年4月:
.cursorrulesファイル - 2025年1月:
.cursor/rulesディレクトリ - 2026年1月:
SKILL.mdでスキル定義
今後の展望
Cursorの進化の方向性を見ると、以下のトレンドが見えてきます。
- マルチエージェント化: 単一のAIから、複数のAIが協調する方向へ
- 自律性の向上: 人間の介入を減らし、AIがより多くの判断を行う
- 統合の深化: IDE、ブラウザ、ターミナル、外部サービスとの連携強化
- エンタープライズ対応: セキュリティ、監査、チーム機能の充実
まとめ
Cursorは2023年3月の初期リリースから約3年で、シンプルなAIチャットエディタから、Subagents、Skills、Background Agent、Debug Mode、Multi-Agent Judgingなどを備えた高度なAI開発プラットフォームへと進化しました。
特に重要なマイルストーンは以下の通りです。
- v0.37(2024年7月): Composerの導入でマルチファイル編集が可能に
- v0.46(2025年2月): Chat/Composer/AgentがAgentに統合
- v1.0(2025年6月): Bugbot、Background Agent全員開放、Memories
- v2.0(2025年10月): 独自Composerモデル、Multi-Agent、Voice Mode
- v2.4(2026年1月): Subagents、Skills、Image Generation
今後もCursorの進化に注目です。
参考リンク: