
Liquid Glass デザイン完全ガイド - CSS実装からFigma制作まで
現在制作中の printemps.tokyo のホームページでは、話題の Liquid Glass デザインを採用することにしました。
調べてみると、これがなかなか奥深い。 今回は、Liquid Glass の考え方から、CSSでの実装、Figmaでの制作方法までをまとめます。
Liquid Glass とは
Liquid Glass は、ガラスの透明感に「液体っぽい歪み・光の流れ・反射」を足した、Apple発の新しいUIスタイルです。
2025年6月にAppleが発表した新しいソフトウェアデザインで、iOS/macOSの次期バージョンで全面的に採用されています。
Glassmorphism との違い
Glassmorphism(ガラスモーフィズム)は2020年頃から流行したスタイルで、「すりガラスの板」のようなUIを表現します。
一方、Liquid Glass は「とろっとしたガラスのしずく・レンズ」をイメージすると分かりやすいです。
| 特徴 | Glassmorphism | Liquid Glass |
|---|---|---|
| イメージ | すりガラスの板 | 液体のしずく・レンズ |
| 動き | 静的 | 動きや光沢が強い |
| 光の表現 | 控えめ | 積極的にハイライト |
| 歪み | なし | わずかな歪みを加える |
デザインの考え方
Liquid Glass を構成する基本要素は以下の5つです:
- 半透明 — 背景が透けて見える
- 背景のぼかし — フロストガラスのような効果
- 光のハイライト — 光が当たっている部分の表現
- わずかな歪み — 液体っぽさを出す
- 柔らかい影 — 浮遊感と立体感
効果的な使いどころ
Liquid Glass は、以下のような「浮いたパネル」に使うと効果的です:
- カード
- ツールバー
- ボタン
- モーダル
- ナビゲーションバー
また、背景は情報量があるものと相性が良いです。写真やグラデーション、カラフルなイラストの上に配置することで、ガラス越しに背景が透ける美しさが活きます。
CSSでの実装
基本的なLiquid Glass カード
iOS 26 スタイルの Liquid Glass カードを作ってみましょう。ポイントは、強めのblurと複数レイヤーのグラデーションです。
.liquid-glass-card {
/* 多層グラデーション背景 */
background:
linear-gradient(
135deg,
rgba(255, 255, 255, 0.25) 0%,
rgba(255, 255, 255, 0.08) 50%,
rgba(255, 255, 255, 0.15) 100%
);
/* 強めのblur + 彩度アップ */
backdrop-filter: blur(40px) saturate(180%);
-webkit-backdrop-filter: blur(40px) saturate(180%);
/* 繊細なボーダー */
border: 0.5px solid rgba(255, 255, 255, 0.35);
/* 大きめの角丸 */
border-radius: 28px;
/* 複数の影を重ねる */
box-shadow:
0 0 0 0.5px rgba(255, 255, 255, 0.4), /* 外側の光の縁 */
0 2px 8px rgba(0, 0, 0, 0.08), /* ソフトな影 */
0 8px 24px rgba(0, 0, 0, 0.12), /* 深い影 */
inset 0 1px 1px rgba(255, 255, 255, 0.5); /* 内側ハイライト */
}Liquid Glass
iOS 26で採用された新しいデザインシステム。背景が美しく透けて見えます。
各プロパティの解説
多層グラデーション背景
/* 単色よりもグラデーションで立体感を */
background:
linear-gradient(
135deg,
rgba(255, 255, 255, 0.25) 0%,
rgba(255, 255, 255, 0.08) 50%,
rgba(255, 255, 255, 0.15) 100%
);iOS 26 では単色の半透明ではなく、グラデーションを使って光の反射を表現しています。
背景ぼかし + 彩度
backdrop-filter: blur(40px) saturate(180%);
-webkit-backdrop-filter: blur(40px) saturate(180%);iOS 26 では 40px程度の強めのblur と、saturate() を組み合わせて背景の色を鮮やかに保ちます。
繊細なボーダーと影
/* 0.5pxの繊細なボーダー */
border: 0.5px solid rgba(255, 255, 255, 0.35);
/* 多層シャドウで深みを出す */
box-shadow:
0 0 0 0.5px rgba(255, 255, 255, 0.4), /* 光の縁 */
0 2px 8px rgba(0, 0, 0, 0.08), /* ソフトシャドウ */
0 8px 24px rgba(0, 0, 0, 0.12), /* 深いシャドウ */
inset 0 1px 1px rgba(255, 255, 255, 0.5); /* 内側ハイライト */細いボーダーと複数の影を重ねることで、浮遊感のある立体的なガラスを表現します。
液体感を出すテクニック
オーロラ背景アニメーション
Liquid Glass の真価は、動く背景との組み合わせで発揮されます。背景にオーロラのようなグラデーションを動かすことで、ガラスの美しさが際立ちます。
/* 背景コンテナ */
.aurora-background {
background:
radial-gradient(ellipse 80% 60% at 50% 0%,
rgba(120, 180, 255, 0.5) 0%, transparent 50%),
radial-gradient(ellipse 60% 50% at 80% 100%,
rgba(255, 120, 180, 0.4) 0%, transparent 50%),
radial-gradient(ellipse 50% 40% at 20% 80%,
rgba(180, 255, 200, 0.3) 0%, transparent 50%),
linear-gradient(135deg, #1a1a2e 0%, #0f0f1a 100%);
}JavaScript で radial-gradient の位置をアニメーションさせると、オーロラが揺らめくような効果が生まれます。
Aurora Animation
背景がゆっくりと動き、オーロラのような効果を生み出します
SVGフィルタで歪みを加える
より本格的な液体感を出すには、SVGフィルタを使います:
<svg style="display: none;">
<defs>
<filter id="liquid-distortion">
<feTurbulence
type="fractalNoise"
baseFrequency="0.01"
numOctaves="3"
result="noise"
/>
<feDisplacementMap
in="SourceGraphic"
in2="noise"
scale="5"
xChannelSelector="R"
yChannelSelector="G"
/>
</filter>
</defs>
</svg>.liquid-glass-card {
filter: url(#liquid-distortion);
}feTurbulence でノイズを生成し、feDisplacementMap で軽い歪みを加えています。
iOS 26 コントロールセンター風デモ
iOS 26 の Control Center を再現してみましょう。グリッドレイアウトとスライダーを組み合わせた実用的な例です。
/* グリッドコンテナ */
.control-center {
display: grid;
grid-template-columns: repeat(2, 1fr);
gap: 12px;
max-width: 340px;
}
/* 各コントロールカード */
.control-card {
background:
linear-gradient(135deg,
rgba(255, 255, 255, 0.25) 0%,
rgba(255, 255, 255, 0.08) 100%);
backdrop-filter: blur(40px) saturate(180%);
border: 0.5px solid rgba(255, 255, 255, 0.35);
border-radius: 20px;
padding: 20px;
}
/* アクティブ状態(Wi-Fiオンなど) */
.control-card.active {
background:
linear-gradient(135deg,
rgba(0, 122, 255, 0.6) 0%,
rgba(0, 122, 255, 0.3) 100%),
rgba(255, 255, 255, 0.1);
}
/* スライダー */
.glass-slider {
height: 32px;
background: rgba(255, 255, 255, 0.15);
border-radius: 10px;
}
.glass-slider-fill {
background: linear-gradient(90deg,
rgba(255, 255, 255, 0.4),
rgba(255, 255, 255, 0.6));
border-radius: 10px;
}ミュージックプレイヤー風デモ
ダークテーマでの Liquid Glass の美しさを、ミュージックプレイヤーUIで表現します。
/* ダークテーマ背景 */
.dark-aurora {
background:
radial-gradient(ellipse 100% 80% at 50% 120%,
rgba(120, 80, 200, 0.4) 0%, transparent 50%),
radial-gradient(ellipse 60% 40% at 80% 20%,
rgba(255, 100, 150, 0.25) 0%, transparent 50%),
linear-gradient(180deg, #0a0a12 0%, #12121f 100%);
}
/* 円形ボタン */
.play-button {
width: 56px;
height: 56px;
border-radius: 50%;
background: rgba(255, 255, 255, 0.15);
border: 1px solid rgba(255, 255, 255, 0.25);
box-shadow: inset 0 1px 1px rgba(255, 255, 255, 0.3);
}Liquid Dreams
Glass Orchestra
Figmaでの作り方
レイヤー構成
Figma で Liquid Glass を再現するには、レイヤーとエフェクトを重ねていきます。
1. ベースフレームの作成
- 角丸を大きめ(24px〜32px)にしたフレームを作成
- 「クリップ内容(Clip content)」をオンにする
2. 塗りの設定
複数の塗りを重ねます:
Layer 1: 白 (#FFFFFF), 不透明度 20%
Layer 2: アクセントカラー, 不透明度 10%
3. ぼかし効果
- Background blur: 16〜24px
これで背景がぼやける効果が出ます。
4. 内側の光と影(Inner Shadow)
複数のインナーシャドウを設定:
ハイライト(光が当たっている縁)
色: 白 (#FFFFFF)
X: 0, Y: 1
Blur: 2
Spread: 0
不透明度: 40%
陰影(厚みと立体感)
色: 黒 (#000000)
X: 0, Y: -2
Blur: 8
Spread: 0
不透明度: 15%
5. ハイライト形状の追加
「とろっとした光」を表現するには:
- 楕円または波打った形のシェイプを作成
- 白のグラデーション(上から下へフェードアウト)を適用
- Layer blur を 8〜16px に設定
- 不透明度を 20〜40% に下げる
- カードの上部に配置
Figmaプラグイン・素材
Liquid Glass プラグイン
Figma コミュニティで「Liquid Glass」プラグインが公開されています。
主な機能:
- 任意のコンポーネントに多層のガラス効果を自動適用
- Light / Dark のプリセット
- タブバー・カード・ボタンなどのコンポーネント付き
UIキット
Apple風の Liquid Glass UI キットもコミュニティで配布されています:
- タブバー
- カード
- ボタン
- ウィジェット
- モーダル
これらをコピーして自分のデザインに組み込み、色やぼかし値を調整していくのが効率的です。
実装時の注意点
パフォーマンス
backdrop-filter は GPU を使用するため、以下の点に注意:
- 多用しすぎない(同時に表示するガラス要素は3〜5個程度に)
- モバイルでは blur の値を控えめに(20〜30px程度)
saturate()との組み合わせは負荷が高め- アニメーションと組み合わせる場合は
will-changeを検討
.liquid-glass-card {
will-change: transform;
/* transform でアニメーションさせる場合に有効 */
}ブラウザ対応
backdrop-filter の対応状況:
- Chrome: 76+
- Safari: 9+(
-webkit-prefix必要) - Firefox: 103+
- Edge: 79+
IE11 は非対応ですが、2026年現在はほぼ気にする必要はありません。念のためフォールバックを用意する場合:
.liquid-glass-card {
/* フォールバック:半透明背景のみ */
background: rgba(30, 30, 50, 0.85);
}
@supports (backdrop-filter: blur(40px)) {
.liquid-glass-card {
background:
linear-gradient(135deg,
rgba(255, 255, 255, 0.25) 0%,
rgba(255, 255, 255, 0.08) 100%);
backdrop-filter: blur(40px) saturate(180%);
}
}アクセシビリティ
- テキストのコントラスト比に注意(背景が透けるため読みにくくなりがち)
- 重要なコンテンツには十分な不透明度を確保
- 動きに敏感なユーザーへの配慮(
prefers-reduced-motion)
@media (prefers-reduced-motion: reduce) {
.liquid-glass-card {
animation: none;
}
}まとめ
iOS 26 スタイルの Liquid Glass デザインのポイント:
- 考え方: 「とろっとしたガラスのしずく」をイメージ
- CSS実装: 多層グラデーション + 強めの blur(40px) + saturate(180%)
- 背景: オーロラ風のグラデーションアニメーションで背景を動かす
- ボーダー: 0.5px の繊細なボーダーで光の縁を表現
- 影: 複数の box-shadow を重ねて深みと浮遊感を出す
- Figma: プラグインを活用して効率的に制作
Apple が全面採用したことで、今後のトレンドになることは間違いありません。 printemps.tokyo でも、このスタイルを取り入れて、モダンで美しいサイトを目指します。